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サンタ・カンパニー
【ファンタジー 官能小説】

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年の瀬のクソ寒い時期だって言うのに、首筋を伝う汗がうざったいことこの上ない。


さすが極寒の地に設立されただけあって、うちの会社の制服は防寒着としてはピカイチだ。


でも、ここは日本。そんな氷の国で過ごすような服装は大袈裟過ぎる。


それでも社長が「この制服じゃないとサンタクロースじゃない」と言い張るから、みんながみんな、汗だくになりながらも冬の街を走り回っているのだ。


赤い服に赤い長靴、赤い帽子。袖や帽子のぼんぼりには白いファー。


誰もが知っているであろう、サンタクロースのイメージ。


何を隠そう、俺はそのサンタクロースなのである。


え、サンタクロースなんているわけないって?


んなもん知るか。俺がサンタ・カンパニーで働いているのは事実なんだから。


まあ、「人間か?」と聞かれたら微妙なラインではあるのだけど。


とにかく、クリスマスのこの時期、俺の勤めるサンタ・カンパニーでは、世界中の子供達にプレゼントを配るという、一年に一度の大仕事の真っ最中。


従業員1000名を超えるサンタクロース達が、世界中の子供達を笑顔にするため、東奔西走しているのである。


子供らにプレゼントを配るってのが、俺らの仕事なわけなのだが、基本的にサンタの存在を信じる子供達にのみ限定される。


そりゃそうだ、サンタからのプレゼントを純粋に待っている子供にならプレゼントを配るかいがあるってものだが、サンタの存在をまるっきり信じないガキに配った所で、それは親が買ってくれたって思われるのがオチ。


一応こちらもビジネスとしてやっているので、そんな報われない思いをするのなら、ハナっからサンタの存在を否定する奴らには、俺らの姿すら見えないようにしているのだ。


俺らの存在は、サンタの存在を純粋に信じるその心の中にあり続けるんだぜ。




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