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サンタ・カンパニー
【ファンタジー 官能小説】

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そんなサンタ・カンパニーだが、近年の情報化社会のせいか、最近はやけにマセたガキばかりが増えてしまい、配達個数そのものは年々減少の一途をたどっていた。


クリスマスってイベント自体が、親にプレゼントを買ってもらう日と勘違いする子供ばかりが増えてきて、クリスマスプレゼントはサンタクロースが届けるんではなく、Amazonが届けてくれるもんだと思っている子供のまあ、多いこと多いこと。


となると、サンタ・カンパニーで働く人の数も少しずつ減って行くのは自然なことであって。


社長の三田(みた)さんはバリバリのたたき上げだから、使えない社員はどんどん切って行くので、俺達社員は少しのミスも許されない状況に置かれていた。






「よーし、あとはこのマンションで最後か」


10階建のマンションを見上げながら、額の汗を手の甲で拭う。


時間は、深夜の1時をまわった頃だから、今年もいいペースで終われそうだ。


風もない夜に、しんしんと降り積もる牡丹雪のお陰で街全体がぼんやり明るく映る。


「ホワイトクリスマスだなあ」


俺だけのジンクスがあって、ホワイトクリスマスの年は、なぜか仕事が上手くいく。


確かに今年は配達に遅れもなく、子供達に姿を見られそうになることもなく、忙しいながらもスムーズに仕事が進んだ。


少し立ち止まっているだけで、どんどん頭や肩に降り積もる雪を払いながら、ほんの少し笑顔になる。


静かに降る雪は、どうしてこうも優しい気持ちにさせてくれるのだろう。


家族、友達、恋人……。


大切な人と過ごし、子供達が笑顔になるこの日。


幸せなクリスマスを過ごせる人がどうか、1人でも多くいますように。


なんて、ガラにもない事を考えてしまった自分がなんだか照れ臭くなって、フッと笑って鼻の下を擦ってから、俺はゆっくりと長靴で雪をギュッと踏みつけた。


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