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匂いの香り
【熟女/人妻 官能小説】

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プロローグ-1

カランコロン、ドアを開けると軽やかなベルが鳴る。
「いらっしゃいませ〜。」
あちこちから色々なトーンの声が聞こえる。
「佐々木よ、コウ君いる〜。」
40才は過ぎているだろう、スタイルはいいが服のセンスが良いのか悪いのか、大きなブルーの水玉のブラウスに白のテロンテロンのワイドパンツを履いている。
Tバックの下着が透けて見える。
派手な化粧をしているが、美人の部類だろう、一見して気が強そうなのが分かる。
「いらっしゃいませー、佐々木さまー、吉見ですね、少々お待ち下さいませ。」
店長の新見だ、まだ20代後半だろう 、ファションは気を使ってるのだろうが、いまいちあか抜けない、人当たりは良さそうだが、リーダーシップは無さそうだ。4月から高卒の吉見孝太郎が入店してから3ヶ月が経った。
孝太郎がシャンプーを担当するようになってから、シャンプーをオーダーする客が増えはじめた。
新見は自分の指導も良かったが、孝太郎の控えめでゆるい性格と技術に対するひた向きさが、顧客の琴線に触れているのだろうと思ってはいた。 実際にはルックスもかなり貢献しているのだろう。
確かにに孝太郎にシャンプーのレッスンをしても、途中で寝てしまって練習にならない事が何回もあった、いくら寝まいと思っても気がつくと終わってしまっているのだ。
しかも孝太郎は 幾ら忙しくても、ペースを変えないで、淡々と与えられた仕事をこなしていく、それが妙な高級感を醸し出してる。
美容室の仕事は焦っても、効率はたいして変わらない、逆に、客が手を抜かれたと思えば逆効果だ。孝太郎は入店した頃は体育会系で色黒だったが、今は髪も明るいブラウンだし肌も色白で女の子と間違われるぐらいの美少年になった。
いかにも美容室のアシスタントの男の子という感じだが、本人は背伸びをしようとしないし話し言葉もまだ幼い雰囲気がある。
同年代よりかなり年上のお客様の指名が多いいのは 同年代では頼りなく見えるのか 母性本能に訴えるタイプだ。
「コウ君、シャンプーしてよ、ブローもコウ君で良いよ。」「佐々木様、吉見はまだブローのテスト 合格してないんですよ。」
「店長、堅いこと言わないでよ、私の頭で練習したら良いじゃない、料金まけろなんて言わないから、ね、時間ないから早くして!」
新見は
「承知しました、吉見、お願いします。」
「いつも ありがとうございま〜すぅ。」
孝太郎はニコニコしながらシャンプーブースに案内をしていった。
美容師は人気商売だ、同期からヤッカミもあるが、実力の世界だ、悔しかったらもっと頑張ればいい、が孝太郎のユルい性格のせいかイジメとかは今のところは無い、表面上は仲良くやっている。リズミカルなシャワーの水音が聞こえてきた。
「コウ君のシャンプーは何時も気持ちいいわ、寝ちゃうよ………。」
手の動きを見ただけでも気持ち良さそうだ。
隅々まで止まる事なく一定のリズムで洗い続けている。
洗っている孝太郎も気持ち良さそうだ。
本当に寝てしまった、寝息が聞こえる。
「佐々木様、終わりましたよ、セット面にどうぞ。」
大判のタオルで頭を包んで、シャンプー用のケープを外した。
「もう、悔しいわ、何時もどんな風にシャンプーしてるか確かめたいのに、寝ちゃうのよねー。」軽くマッサージをしてから、ドライヤーでブロードライを始めた、サラサラのロングヘアーだからたいしたテクニックは要らない。
「コウ君、カワイイから芸能界でもいい線いけると思うけどね。」
「人前で歌とか芝居とか無理ですぅ、恥ずかしいですよ。」
「そうね、美容師のほうが確実だし息も長いからね、あ、そうそう、私の姪っ子の唯 知ってるでしょう。」
「はい〜、えっと、たしか、芸大生でしたよね?」芸大生というと髪に絵の具が着いていてラフな服装のイメージだが唯さんは、オシャレな服屋さんの店員のようだ、何時もバッチリメイクでカワイイ。
「そうだよ、あの子がコウ君にデッサンのモデル頼めないかなあって言ってたよ、何とか展に出すとか言ってたよ。」
「モデルですか?へぇー面白そうですね、でもそんな経験無いから大丈夫かなぁ。」
「立ってるだけだから大丈夫じゃない、お名刺ちょうだい、良いのよね?」
「はい、お店休みの日なら。」
「ありがとう、伝えとくわ。」
店がスタッフ用に作っている名刺を渡した。
店側としては お客との恋愛は御法度だが個人的な趣味とかスポーツの付き合いは、むしろ進めている。
この日もヘアカラーのシャンプーも入れると20人以上シャンプーをした、いくらスポーツをしていて体力があっても、疲れるのは仕方ない。「お疲れさま〜。」
毎日、疲れてヘトヘトで帰る、電車の中は爆睡だ。
家に帰ってからはご飯を食べてからパーマを巻く練習をしてから風呂に入って寝るだけだ。
最近はオナニーもしていない。
性欲はあるが寝るのが最優先だ。
意識が無くなるように寝てしまった。


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