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母子相姦のある風景
【母子相姦 官能小説】

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市営グラウンド-5


「それじゃあ本当に帰るからね」
 そう言う母はもうさっきまでの余韻は無い。
呼び止める間もなく母はそのまま部屋を出て行った。
もう帰る決心が表れているかのように少し強めにドアが閉まる。
一人取り残された僕は窓からグラウンドを眺めた。
 さっき始まろうとしていた試合はまだ序盤なのに、既に5点差がついていた。
まだ逆転は出来るけど、簡単じゃないな。
そう思う。

 このレベルの少年野球の不思議なところは勝ってる方は途端に余裕を無くす事だ。
ピッチャーはストライクが入らなくなり、バッターは打てる球も見逃すようになる。
そうすると半ば試合を投げてた負けてるチームは途端に息を吹き返し、逆襲を始める。
名勝負というよりは泥臭い喧嘩に近いやり合いになってしまうんだ。
 でも、そうやって必死にやるのが楽しいんだよな。
点がなかなか入らない締まった試合だと、攻守ともにプレッシャーがきつくてあんまり楽しめないもんなんだ。
泥臭く必死にやるのも悪いもんじゃないよ、少年。
僕みたいな落ちこぼれ選手のなれの果てに言われたくはないだろうけどさ。
 ずいぶん前からサッカーの影響で野球人気が下がったというけど、こうして見る限りはそれなりにいるじゃないか。
そんな事も思う。

 グラウンドの脇の歩道を見慣れた後ろ姿が歩いてくのが見えた。
母だ。
グラウンドの熱戦を横目で見ながら真っすぐ駐車場に向かってる。
こっちを見てないから気づかないか。
そう思いながら手を挙げてみる。
すると、50mほど離れている母がこちらを見上げてすっと手を挙げた。
部屋を出てく時と違って、存外笑顔なのが分かった。
純真な野球少年が懸命にボールを追いかけてるその脇で、ついさっきまで近親相姦の愛に乏しいセックスに耽ってたとはとても思えない。

 プロを目指すばかりが野球じゃない。
野球っていうのは人生だと思う。
生き方や才能や努力や姿勢や色んなものがグラウンドに出る。
やってる奴はやってるなりのものが出るし、やってない奴にはそれなりのものしか出せない。
 僕は筋トレも素振りも走り込みも相変わらずしないけど、気が向いた時にはノックを受けるし、バッティングセンターにも行く。
そして今日みたいな日にたまに母親とセックスする。
プロに行けなくたって、都市対抗に出られなくたって、僕は今も草野球をやっている。
たまにクリーンナップも打つし、まれに長打も打つし、盗塁もする。
チームの平均年齢は40代だからだけどさ。
人がなんていうかは分からないけど、まあまあ楽しいね。
泥臭くやるのも悪いもんじゃないよ。

 完


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