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《夏休みは始まった》
【鬼畜 官能小説】

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〈屠られる幼畜〉-2

『ああ、あの方達は野鳥撮影のチームです。予約無しで訪問されたのでお部屋のご用意が間に合いませんで、あそこで待ってもらっている最中なのでございます』


なるほど……里奈はあっさりと中原の言葉を信じた。

突然の訪問なら女将の言葉との食い違いは納得だし、休める部屋がないならブラブラしてても仕方がない。
感じた不快感はちょっと不潔そうな頭髪から来たのだろうと思えば説明はつくし、何より中原らスタッフ達が居るのだから安心なのは当たり前なのだ。


「な〜んだ。私達の他にもお客さんが居たから「何だろう?」って思っちゃって」

『たまにああしていらっしゃるお客様もおります。なにせ山奥にポツンとある旅館ですから』



やはり里奈は未熟者だ。

フロントスタッフがお客様を“名前”で呼ぶわけがないではないか。
これが麻衣だったなら中原の違和感に気付くだろうに……。


迂闊にも安心した里奈はオヤジ四人をチラリと見ると、麻衣が居るであろう露天風呂へと再び向かいだした。

でも里奈は入浴したいという気分ではなくなっており、着衣のままで麻衣と会い、早めに部屋に戻るように促そうと思っていた……。


(……あ、あれ?あの人達……つ…ついてくる…!?)


露天風呂へと繋がる廊下の真ん中ほどに来ると、真後ろからトントンと足音が聞こえてきた……それは一人分の足音ではない……里奈が振り返るとあの四人組が、当然とばかりの態度で歩いてくるのが見えた……。


(な…んで…ッ!?)


またも頭を擡げた恐怖感は、痛みを感じるほどの鼓動の高鳴りと、嫌な汗の分泌を加速させた。
里奈は女湯の暖簾を潜って戸を開けて脱衣場に入ると、急いで鍵を掛けるべく一気に戸を閉めた……。


「ひ…い"ぃ"ッ!?」


ガッ…と戸は開き、あの四人組が脱衣場に入り込んできた……あの暖簾に書かれた文字が見えなかったとは思えなかったし、であるならば、それは明確な〈目的〉があるからだ……。


『やっぱり麻衣お姉ちゃんが居ないと寂しいの?』

『露天風呂にまで後追いするなんて……まだまだ子供なんだね、里奈ちゃんは?』

「ッ……!!??」


なぜ名前を知っている?
なぜ麻衣の後を追ってきたと知っている…?

オヤジ達の台詞と行動を瞬時に理解するには難しく、ただただ呼吸が乱れて鼓動は高まるばかり。

里奈の身長が低い分、自動的に頭一つは背が高いオヤジ達を見上げる瞳は、ただならぬ事態に早くも涙に潤み、そして脱衣場唯一の出入口が既に塞がれている事に気づき、膝を震わせながら愕然とした……。





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