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Halloween 〜Trick or cosplay〜
【制服 官能小説】

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第10章 明日への一歩-5

似衣奈が二口目をつけられないでいる内に、麻里奈は三口目を飲んだ後、小さく息を吐いてから言った。
「私ね、あなたがしてるコスプレを追いかけてる貴之君にイライラしてた。私は貴之君に出来る限り尽くしてきたてもり。それでも貴之君はあなたを追いかけてた。いえ、追いかけてる。悔しいって言うか嫉妬ね。それを考えると悔しくて、悲しくて。これだけ尽くしてるのに私だけを見てくれないんだもん。毎晩泣いてた。でもね、それじゃあの時と変わらないって気付いたの。ただウジウジして、自分じゃない自分を気取って、泣いて。そんなんじゃダメだって気付いたの。なら私も神崎さんに負けないぐらいのコスプレをして神崎さんに勝とうって決めたの。」
「えっ…!?」
思いもよらぬ方向に話が向かい驚く似衣奈。
「だから私、今度のハロウィンパーティーで絶対大賞取るって決めたの。貴之君を思う気持ちは神崎さんに負けない自信ある。この気持ちがあって全力を尽くせば勝てるって。私の全てを出して、もしそれで貴之君が神崎さんを選んだならきっと後悔はしない。過去に縛られてる呪縛から解放されて私らしく生きていける気がするの。だから神崎さんも全力で来て欲しい。同じステージで全力で戦いたいの。」
麻里奈の目の力に圧倒される似衣奈。しかし偶然にも同じステージで戦いたいと思った自分と同じ気持ちを抱いている麻里奈が少し嬉しく感じた。似衣奈は唇にギュッと力を入れた。

「私も門倉君が好き。でも私は今日その気持ちを門倉君に伝えたばかり。麻里奈さんのように門倉君に何かしてあげた訳じゃない。それどころか暫くの間LINEさえしてませんでした。麻里奈さんには大きくリードされてるし、きっと門倉君を好きな気持ちも麻里奈さんには敵わないかも知れない。今は。でも諦めたくないです。リードされた分を取り戻すには、麻里奈さん以上に全力を出さなきゃならない。でも頑張ります。もう2度と恋が出来なくなるくらい疲れたとしても、きっとそんな自分を褒めてあげられると思うんです。私はコスプレで麻里奈さんに負ける訳には行きません。ハロウィンパーティーで大賞を取るのは私です。」
似衣奈の目力も相当なものであった。2人は目力溢れる瞳で前向きな火花を散らした。

「じゃあハロウィンパーティーで会いましょう?」
「ハイ。」
そう言って2人は同時にコーヒーとラテを一気に飲んだ。二口分遅れをとっていた似衣奈であったが、飲み終えたのは同時であった。それは遅れを取り戻すと言う似衣奈の意気込みだったに違いない。
「じゃあ2度目の二股バトルねっ。」
「フフッ、はい。」
随分下品なバトルだなと可笑しくなってしまった似衣奈。今までのわだかまりがなくなり、似衣奈も麻里奈も晴れやかな表情を浮かべて明るい未来へと歩いて行ったのであった。

ハロウィンパーティーで似衣奈か麻里奈、貴之にどちらかを選ぶよう仕掛けたのは、未央から依頼された智洋であった。貴之も今のままではどちらにも申し訳ないと感じていた。ハロウィンパーティーでこの人だと思った方と付き合う、貴之はそう決めた。

似衣奈は自分が不利な状況だと言ったが、麻里奈は自分の方が不利だと思っている。なぜなら似衣奈と違い告白をしていないからだ。告白をしようと思ったが、その時点で断られるのが恐くて言えなかった。麻里奈は貴之にとってプレイガールとして本当の自分を知って貰えないままハロウィンパーティーを迎えなければならない。麻里奈は似衣奈以上に焦りを感じていたのであった。

似衣奈はコスプレイベントで、麻里奈はエッチな女としてそれぞれ全力を尽くし、そしていよいよハロウィンの日を迎えたのであった。


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