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HAPPY HELLOWEEN 〜ハッピー・エロウィン〜
【学園物 官能小説】

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第5話『ハロウィン余興、アップル・ダック』-2

 時に、放送にあった『アップル・ダック』というゲーム。 一昨年、いや去年だったかな? 私も学園のハロウィン行事を通じて知ったクチで、ハロウィン本場のケルト人が嗜む遊びだ。 盥(たらい)に水を張ってリンゴを浮かべる。 手を使わずに、口でリンゴのヘタを咥えて引っ張り上げる。 盥からリンゴを出すことに成功した数だけリンゴが貰え、その場で食べていいというご褒美ゲームだ。 但し食べるときも手を使ってはいけない。 

 『アップル・ダック』に込められた意味は2つ。 古今東西を問わず、赤いリンゴは豊穣を象徴する。 そんなリンゴを直接口にすることで大地の恵みを受け入れ、収穫への感謝を表明する。 もう1つの意味は旧世紀中世の『魔女裁判』だ。 社会的な弱者、或はキリスト教的道徳に反した思想行動を『異端』『魔女』として排斥した時代。 ヒステリーを起こした民衆が主体となってキリスト教を利用したとしても、キリスト教が女性を魔女だとお墨付きを与えた時代。 教会にとって、或は有力者や共同体にとって都合が悪い女性は、教会が主催する魔女裁判にかけられた。 裁判というと文民的な響きがあるが、実態はたんなる拷問だ。 自分が『実は魔女だ』と自白するまで拷問にかけ、その自白をもって魔女の烙印を押すプロセスに過ぎず、裁判を名乗るなど烏滸がましい。 ケルト人に人気の拷問は『水刑』で、魔女の容疑を掛けられた女性は、氷水を張った盥に顔をおしつけられた。 女性は、自分が魔女だと自白するか、さもなくば窒息するまで責められる。 刑務官が巧者になると、窒息直前で髪を掴んで顔をあげさせ、意識がもどった直後に再び水に浸けることで、約1時間で『魔女の自白』をとったという。 冷たい水で冷え切った頬や唇が赤く染まり、盥に顔をつけては離しを繰り返す……この様子を『アップル・ダック』は再現しているという。

 余談終了。

 校門前に金盥がいくつも並ぶ。 併せて20個くらいだろうか。 10年以上も前、私が学園生だった頃に世話になった盥も混じっているだろうと思うと――当時は悪夢でしかなかったが、今になってみると――そこはかとなく懐かしい。 私達は順番に盥を跨ぎ、ブリッ、ムリッ、ミチッ……、手際よく一息みでもって、お腹の中身を盥にあける。 学園で鍛えられた括約筋は健在で、いつ、どこででも排泄できるから、現代女性は便秘知らずだ。 秋の気配が気温にも表れる頃だけに、金盥からホカホカと暖かそうな湯気が浮かぶ。 もちろん嗅ぎ慣れた腐敗臭も健在だ。 匂いに温度はないというが、大便の薫りを表現するに、『生暖かい』という形容詞が一番ふさわしい、と私は思う。

 金盥すべてに排泄物が溜まった頃、学園の生徒達が戻って来る。 寮に戻るときと違うのは、3点。 1点は仮装で開口具をつけていた学園生はもちろん、他の生徒も全員が『環式開口具』を装着していた。 もう1点は、さっきまでのパンパンに膨れたお腹が、どれも普通に戻っていた。 察するにさっき寮に戻ったとき、何らかの方法で体内の御馳走を――腸内に頂戴した御馳走は気張って排泄し、膣内にもらったお菓子は膣圧でひりだし、胃袋に収めた尿その他は嘔吐し――外に出して来たらしい。 最後に、全員が両腕を背中に回し、貫頭衣でもってぐるぐる巻きに拘束されていた。 

『Bグループ生はリンゴの用意をしてください』

 放送が終わると、学園制服をつけた少女たち、編駕籠を携えて現れた。 駕籠にはピカピカに磨いたリンゴたち。 ただしそのまま食べるわけがなく、ぽちゃん、ぼちゃん、排泄物が詰まった金盥に3個ずつ撒かれ、茶色い塊に混じって汚汁に浮かんだ。 

『Cグループ生へ。 各自、所定の場所につくように』

 排泄を終えた私達が見守るなか、盥1つにつき6人ずつでもって金盥を囲む少女たち。 どの少女も腐臭にひるむ素振りをみせず、液面を凝視する。 表情は真剣そのものだ。 

『位置について、用意……』
 
 パァン。 Bグループ生たちが一斉にクラッカーを鳴らし、紙吹雪が舞う中で『アップル・ダック』がスタートだ。 排泄物に浮かぶリンゴめがけ、あぐり、がぶり、我先に突っ込む少女たち。 開口具でめいっぱい口を拡げたまま、汚物が飛沫(しぶ)くに任せて顔ごとリンゴに喰らいつく。 あっという間に、顔はもちろん、髪まで茶色い軟便でベトベトになった。 飛沫だけじゃない。 撹拌した金盥からは、一層の汚臭が湧いてくる。 私達にも届くくらいだから、彼女たちは鼻孔から肺腑まで全部、ウンチ臭で満たされていることだろう。 口に入った排泄物の欠片だって、全部吐き出すのは到底ムリ。 呑み込まざるを得なかった便塊や、鼻孔、咽喉、歯茎や歯冠に挟まった便滓は、しばらくの間少女に素敵な味と匂いを供し続けることになる。 

「あぐっ……あんぐっ、んぐっ……」

「むぶぷ……ぷはっ、はぁっはぁっ……!」

 それにもかかわらず、少女たちは激しく便塊に顔をつけてリンゴを探す。 既に学園生活半年を経た彼女たちに、今更排泄物程度に物怖じしろ、というのがムリな話なんだろう。 ただ、それでも排泄ほやほやで湯気の立つ便を前にして目を開けるのは厳しいようで、大多数が目をギュッと瞑っている。 例え便が目に入ったとしても、事後に消毒用目薬を点眼するだろうし、後遺症に発展しないよう配慮はなされているだろうから、真に『アップル・ダック』で勝とうと思えば、断然目は開けた方が有利なんだけど、

(……さすがに、そこまでは無理だよね)

 眼を開ける、簡単なようで高いハードルなのは、私もよおく分かっている。



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