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HAPPY HELLOWEEN 〜ハッピー・エロウィン〜
【学園物 官能小説】

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第9話『ハロウィン余興、トイレットペーパー・マミー』-2

 『トイレ・マミー』になるべくトボトボと去る少女達を見送っていると、

『ただいまを持ちまして、パーティーゲームは終了しました。 ハロウィン演技、楽しんでいただけましたでしょうか。 応援の暖かいお言葉、また数多の御馳走をいただいたこと、生徒一同感謝の念に堪えません。 夜も遅いことですし、これにて散会とさせていただきます。 今日の佳き日を踏まえ、みなさま、どうぞ素敵なハロウィンをお過ごしください。 トリック・オア・トリート!』

 放送が場の空気を〆めた以上、ここに留まる理由はない。 もともと何となく様子を見に来ただけだし、私は最初に学園校門に背中を向けた。 もう就寝するには良い時分で、明日も早朝から配達業務が詰まっている。 ただ、久しぶりに学園のことを思い出すと、今の私はあの頃と比べて断然楽だ。 私には寝る自由があるが、生徒達には、『トイレ・マミー』は当然として、これからハロウィンの総括や、競技にかったクラスへの奉仕やらが待っていることだろう。

「……」

 無言で我が身を顧みる。 人並の食事、人並の衣服、人並の住居。

 学園生だった頃と、社会人としてベテランの域に入りつつある今。 どちらがキツイかと問われれば、私にとっては断然前者で、本当に、よくぞ卒業できたなぁと感心する。 そりゃあ今は今で辛い事は沢山あるけれど、学園時代とは辛さの種類が全く違う。 

 まあ、あれです。 あれだけウンチを食べさせられて発狂しなかっただけでも、私は、自分で自分を褒めてあげたい。 あまり優秀な学生じゃなかったけれど、学園を卒業できたことは大きな自信になった。

 ザワザワ、ガヤガヤ……。

 最後まで残っていたギャラリーが続々と家路につく。 私も、私に色々教えてくれた女性も同様だ。 私たちには学園少女たちとは違い、ゆっくり休める場所がある。 

「……」

 踵を返して、しばし歩いて。 校門前ロータリーの照明が届かなくなったというのに、辺りの様子がはっきりわかる。

「……?」

 見上げれば、カボチャ色をした満月が私を煌々と照らす。 月の模様が逆三角形の目鼻口のようで、頭がハロウィンに染まったよう。 この調子では、すんなり寝つけそうにない。 と、私は唐突に戸棚に『箒』と『帽子』があることを思い出した。 殿方の男根がモチーフな魔女の箒と、女性器を暗喩するとんがり帽子。  

(家についたら……私も箒にまたがって、とんがり帽子でも被ってみようかな……)

 少しくらい童心に帰ったところで罪に問われることはない。
 学園を卒業して、社会人になって。
 今の私はそれなりに――自分の意志でハロウィンを愉しむことができる程度には――自由だから。


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