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HAPPY HELLOWEEN 〜ハッピー・エロウィン〜
【学園物 官能小説】

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第4話『ハロウィン・パレード』-2

 そうこうするうちに第3グループが見えてきた。

 布を被って背中に靡かせ、縮めた右手をヒラヒラ舞わせている『一反木綿』。
 体を前後から白土で挟み、乳首を陥没させクリトリスを包茎にしてある『ぬりかべ』。
 口の上までストッキングを被り、そこから白粉(おしろい)で顔を固めた『のっぺらぼう』。

  『一反木綿』は首を振り回し、木綿が垂れないよう頑張っている。 『ぬりかべ』は、身体がペラペラになるほど強く挟まれる苦しさに耐えている。 『のっぺらぼう』は、前が全く見えないだろうに、周囲の気配を伺いながらどうにかこうにか歩いている。 それぞれが一生懸命演じている、それは分かる。 それでも本土モチーフの妖怪で揃えた行列は、先刻通ったカボチャの列が華やかだっただけに、地味な印象は拭えない。
 
 改めて、ハロウィン・パレードとは。

 元々は収穫祭と先祖供養を一体化したケルト民族の祭日だった。 それが『繰り抜いた蕪(かぶら)のお面を被り、先祖の力を借りて復讐する』という残酷な面がクローズアップされ、ホラー色が強い行事に変わる。 仮装も、単なるコスチュームプレイではない。 本来は自分に御せないような大きな力を纏うため、別種の人格を宿すための触媒だ。 

 窓辺から通りを見下ろしつつ、ふと思う。

 ハロウィン本来の意匠に基づくなら、彼女たちは、獣、炎、或は妖怪の仮装を通じてどんな力を手にするんだろう。 単に、イベントだからという理由で、学外に全裸を晒している生徒が大部分だとは思うけれど。 だけど、中には1人くらいイベントに目的を設定して、真剣に仮装している生徒がいる気がする。 獣になりきることで普段なら羞恥心が邪魔する開帳を全々々開する生徒がいてもいいし、炎に炙られることで最も美しい肌の地合いを演出する生徒がいるかもしれないし、別世界の生き物を演じることでミジメな自分を笑い飛ばそうとしている生徒が現れるかもしれない。 そして、そんな風にハロウィンを活用しているとすれば……その生徒は、少なくとも有意義な学園生活を送ることだろう。

「……ま、せいぜい気張ることね」

 私はカーテンを閉じ、脱ぎかけたシャツのボタンを留めた。

 就寝の予定はキャンセルだ。 普段見慣れている使い込んだマンコとは違う、学園生徒達の若いピンク色を見たせいだろう。 眠気が醒めてしまった。 確か、パレードはこれから『学園正門前ロータリー』に集合し、ハロウィン・ゲームに興じるはずだ。 せっかくだから、今年のゲームがどんなものか確かめにいこう。 少しくらい冷やかしても明日の仕事には差し支えあるまい。 うん。

 時刻はまだまだ宵のクチだ。


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