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《夏休みは始まった》
【鬼畜 官能小説】

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〈破断される鶴翼〉-3






『ヒヒヒ……分かったか?本当の《お客様》は俺達なんだよ。俺達っつっても、この部屋に居る奴らで全員じゃねえんだよなあ?』

『なんでも今日はかなりの人数が泊まるらしいぜ?キャラが被った女が居ないから、誰かしらの好みには〈合う〉みたいだしなあ』

『つまりよ、姦りたい女ごとにチームと部屋が別れてるってコトだよ。俺達は《麻衣推し》チームってワケ。他には真夏推しとか奈々未推し…とかなあ?』

(…………ッ!!!)


こんな恐ろしい犯罪を行う異常者達の巣窟に、麻衣達は自ら足を運んでいた……もはや奈々未や真夏や里奈までも襲われるのは時間の問題であり、であるならば、まだ何も知らないままで二階にいる友達に伝えなければならない……。


「む"ごお"ぉ"ぉ"お"ぅ"ッ!!」


何としても「逃げろ」と伝えなければ……。

麻衣は腹の底から声を振り絞り、絶叫を響かせた……だが、思いの強さや体力の消耗とは裏腹に、口から出てくる叫びは鼻歌のような音量でしかなかった……。


『へへッ…俺らは縛りはしたが二階に行くなっては一言も言ってねえぜ?ほら、片足でピョンピョン跳ねてお友達のトコに行ってこいよ?』

「む"ぎーーーーッ!!ぶ…ぶむッ!?んう〜〜〜ッ!!」

『どうした?早く助けに行かないか?このまま黙って此所に居たら、大切なお友達がレイプされちまうんだぞぉ?』


あちこちの梁から伸びる吊り縄は、麻衣の緊縛に集約されている。
どれだけ麻衣が藻掻こうが、その力は麻縄の一本一本に分散してしまう。
それは掛かった獲物を逃さぬ蜘蛛の巣の構造と酷似するものだ……。


『知ってるか?この旅館に宿泊予約した奴って、リーダー気取りの“白岩麻衣”って女らしいぜ?自分のせいでお友達が変態野郎の餌食にされるって知ったら……クククッ!いったい今頃はどんな気分なんだろうなあ〜?』

「ふ…ぎッ!?んぎーーーーーッ!!」

『はあ?その場で跳ねてケツ振ってたってお友達は助からねえぞ?』

『こうしてる間にもなあ、チンポ握り締めた《人間のクズのウジ虫野郎共》がこの旅館に集まってきてるんだぞ?もう時間が無えんだよ、時間がよぉ?』


麻衣の脳裏には、あの日の奈々未の言葉が浮かんでいた。

「別の旅館に泊まろうよ。私、なんか嫌なの……」

奈々未の言葉や駅に降りた時に感じた後悔……宿泊先を変える事も引き返す事も出来たはず……そのチャンスは確かにあったのに……人生最大のミスチョイスを悔いる麻衣に、男達は更に追い討ちをかける……。




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