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憑依("うつせみ"から改題)
【SF 官能小説】

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湯舟の中で揺れる茂みに-1

 ミユキちゃんと温泉旅行に出かけた。まだ一回も普通に交わっていないのだが、なにせ温泉旅行だ。何かが起こるかもしれない。だって温泉旅行だから。因みに、普通じゃない交わりはしょっちゅうしている。ルナさんが出入りの仕方を教えてくれたおかげだ。
 バイクの二人乗りで行こう思っていたが、ミユキちゃんの荷物があまりにも巨大すぎて諦めた。どうして一泊二日でそんなことになるんだ、と訊いたが、女はそういうもの、らしい。結局、慌てて借りた軽のレンタカーに荷物満載で出かけた。
 俺たちの住んでいる町から一番近い温泉はあまり有名ではないが、近隣では人気がある。比較的新しいためホテルが綺麗で、にもかかわらずさほど無理をせずとも楽しめる料金設定だ。海も山も近いので、新鮮な食材も味わえる。どこかの大手レジャーグループが開発したものらしい。
 予定外の出費ゆえ、安さ最優先で選んだレンタカーはガタゴト揺れまくったが、ミユキちゃんが一緒だとこれはこれでなんだか楽しい。食べたり歌ったりしているうちに、二時間ほどで目的地に着いた。
 通された部屋はいかにもな温泉旅館のものだ。子供の頃に連れて行ってもらったまんまの。ネット情報によると、この方が雰囲気があって喜ばれるんだとかで、わざとそうなっているらしい。たしかに、お洒落なシティホテルじゃ、温泉気分が出ないよね。
 「ねえ、さっそく行く?」
 「え、もうイクの?せめて温泉入ってからにしない?」
 「ばか。そのいくじゃないに決まってるでしょ。」
 なんて言いながら、入浴の用意を持って温泉に向かった。エレベーターで地下一階へ。なんだ、地下か。っと思ったが、廊下には窓があって明るい。崖を利用して景色を楽しめる作りになっているようだ。いいねえ。
 「あ、ごめん。」
 「そうしたの?」
 「着替えのパンツ忘れた。」
 「何やってんのよ。早くとってきて。それとも…。」
 入って、ってか。うん、それはそれで悪くないな。あれ、睨んでる。
 「そんなわけ無いでしょ?そろそろ私のパターン、覚えてよね。」
 「ほーい。」
 「まあ、ノーパン浴衣も悪くないけど…。」
 「だ、だめだよミユキちゃん。そんな目でそんな所をみつめちゃ。温泉の中でマズい事になっちゃうよ。」
 慌てて部屋に戻った。パンツをひっつかんでエレベーターに乗ると、途中で他のお客さんが乗ってきた。ショートヘアのよく似合う、明るく元気な感じの女の子だ。少し年下かな。既に浴衣を着ており、身長が低めなせいか、胸元から中身がこんにちはしかかっている。俺の下半身もこんにちはしそうだ。浴衣の合わせ目からも白い足がちらちら。
 地下一階に着いた。俺より前に居た彼女が先に降り、ドアを押さえてくれた。俺も同時に同じ所を押さえようとして、二人の手が重なった。
 『あ…。』
 やっちまった。一緒に乗っている間中彼女のカラダが気になっていたせいか、つい入ってしまった。彼女は振り返り、一瞬、あれ?っという顔をしたが、さして気にする様子もなく女風呂に入った。
 そこは…パーラダーイス!様々にお取りそろえされたオンナが、そこら中でナマ着替えしている!いかん、ムラっとしてきた。俺の感情共有の能力は中途半端に上がってきており、受け取るだけじゃなくて与えることも出来るようになりつつある。一応、コントロールは出来るが。一応、ね。
 更衣室から温泉内へ。当たり前だが、ハダカのオンナがゾロゾロと。温泉と言っても、若い子に人気の所だから、見たくない物はなさそうだ。
 そういえば勝手なもんだよなあ、若い女の子は見たくてたまらないのに、オバサンになったら見たくないんだもんな。女って、いつの間にオバサンになるんだろう。
 俺の宿主が洗い場に座った。おお、鏡越しにだが、茂みがばっちり見えている!いや、それどころか、椅子が低いのでかなり膝を上げた姿勢になっており、下の方まで全てが目の前にある。
 ミユキちゃんのそこもとっても素敵だが、この女の子のここも胸をジクっと高鳴らせる。だって、顔も体つきもみんな違うけど、魅力的な娘はたくさん居るのだから、いろんな子のその部分に欲情をいだくのは自然なことだ。
 お湯を出し、洗い始めた。感覚共有のため、洗う手も洗われるカラダも気持ちよさもダイレクトに伝わってくる。
 首筋から始まってだんだん降りてきた手が膨らみに触れた。その時、うっかり感情をこぼしてしまった。彼女の手が一瞬止まる。バレたか?
 再び動き出した手は、膨らみを下から持ち上げるように洗い始めた。そして、先端を手のひらでそっと撫でた。
 うぅ…一気に快感が流れ込んできた。彼女が興奮し始めたのも分かる。俺がこぼした感情が彼女に火をつけてしまったのだろうか。胸のあたりを中心に洗っていた彼女の手が、胸からお腹、おへそへと下がっていき…ついに茂みの中へと潜り込んでいった。石鹸の泡で隠されてしまったので見ることは出来ないが、指先の感触も触れられている部分が感じる快感も俺には全て伝わってくる。
 ああ、もうダメだ。俺の欲情はもう抑えきれない。コントロール不能なレベルにまで達し、彼女にドバドバと流れ込んでいく。それをモロに受け取っている彼女はさらに興奮し、指の動きが激しくなるだけでなく、腰も少し動き始めた。
 「何やってんのよ。もしかして、自分でしてたの?」
 鏡の中に視線を感じた。


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