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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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内通者-11

そんな吉川の背中にそっと抱きつくさとみ。まだ体は震えていた。その震えは悪魔に魂を売った警察官らに与えられた恐怖なのか、それとも目の前で人が撃たれた光景に対してなのかさとみにも分からなかったが、抱きついている様子から見れば吉川に対しての恐怖でない事だけは確かであった。

「ごめん、この姿だけは見せたくなかった…。」
躊躇いなく人を撃つ姿をさとみにだけは見せたくなかった吉川。淡い恋が終わってしまっても仕方がない事だと思った。しかしさとみの口からは吉川の不安とは真逆の言葉がこぼれた。
「信じてた…。助けに来てくれるって信じてた…。吉川君、ありがとう…」
「えっ?」
思わず振り返った。さとみは涙目でまだ体を震わせていた。
「一瞬、覚醒剤を打たれた方が吉川君の苦しみがもっと理解出来るかなとも思った。」
「ば、馬鹿な事言うなよ…!さとみにこんな苦しい思いをさせる訳にはいかないよっ!」
「でも怖かった。でも吉川が近藤さんから助けてくれたあの時の事が頭に浮かんだの。吉川君の事が頭に浮かんだ。そしたらやっぱり来てくれた。助けてくれた。」
「1人にしてしまった俺のミスで危険な目に遭わせてゴメン…」
「でも危険な思いをする度に吉川君が助けてくれて、また好きになっちゃう。」
「な、何言ってんだよ…。えっ…?」
気付くとさとみが唇をつけて来た。吉川は全く動けなかった。しかし高ぶった気持ちが次第に落ち着いて行く。その時思った。いつも助けられているのはさとみではなく自分なんだと。さとみの言葉を借りる訳ではないが、助けられる度に好きになって行く。少しでもさとみを危険な目に遭わせた事を物凄く悔やんだ。
「もし私が連れ去られてもGPSで吉川君が見つけてくれるって信じてたよ?」
「これからはもうGPSなんていらない。俺がさとみのGPSだ。もう離さない。」
今度は吉川からさとみの唇を奪った。

(あ〜あ、こっちは吉川君の正当防衛を証明しようとして頭が痛いのに、馬鹿みたい…♪)
渚は2人の熱いキスを見て苦笑いを浮かべた。しかし吉川がいなければこの東署は悪行を続けていた事であろう。確かに強引なやり方で闇に踏み込まないとそう簡単に悪行は暴けなかったかも知れない。若菜は吉川のこういう一面を知っていたのだろうか。疑問に思いながらも後で若菜に相談しようと思った。

多くの応援が到着した。
「じゃあみんな、徹底的に東署を調べ上げて!署員は全員中央署に連行するように!」
「はい!」
捜査員が慌しく動き出した。そしてキスは終わり抱き締め合っている2人に歩み寄り言った。
「わがいなぎ市の警察がお二人を危険な目に遭わせてしまい申し訳ありませんでした。心からお詫び申し上げます。」
そう言って頭を深々と下げた。
「や、やめて下さいよ…」
慌てる2人に頭を上げた渚はニヤッと笑って言った。
「あとアツーイいいモノを見せて貰って、あざーっす!」
「!?」
吉川とさとみはバッと離れて顔を赤面させたのであった。


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