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色欲のパレット
【学園物 官能小説】

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「始まり」-3

結局、その後もお兄ちゃんのHDDに入っていたいくつかのDVDを見てしまった。

お兄ちゃんに対する若干の嫌悪感はとうに消えていた。

それどころか、DVDを見ていくことに興奮を覚えたようだった。

激しいセックスにおどろおどろしさを感じつつも心臓の鼓動が早くなっていることが自分でも分かるくらいになっていた。

体が熱くなって、子宮の辺りが疼くような感覚に襲われる。

ふと、時計に目をやるとそろそろお風呂に入って寝る時間が迫っていたので、私はパソコンをシャットダウンして浴室へと向かった。

脱衣所で順番に服を脱いでいき、最後にショーツを下ろそうとする。


その時私の体にショーツが張り付いているような感覚が分かった。

私はショーツをゆっくりと下ろしていくと、糸を引いているのが分かった。

「なにこれ…。」

それが初めてのことで私は思わず考えていたことが口に出てしまった。

ショーツが失禁したのではないかと思うほど、粘液のようなもので濡れて染みになっていた。

衣服の洗濯は母親がいつもしていて、私は中学生にもなってお漏らしをしてしまったと勘違いされるのではないかと思い、焦っていた。

とりあえず、目立たないように自分の脱いだ服の一番下にショーツを隠し、浴室に入る。

いつもなら、シャワーの蛇口を捻るところだが、私は自分の下半身へと目をやる。

足を少しだけ開き、恐る恐る手を膣へと触れてみる。

表面を触ると、ぬるっとした感覚に驚いて急いで自分の手を確認する。

乾燥した手の表面は、唾液が付いたように濡れていた。

それは尿ではない何かで、私の体はどうかしてしまったのではないかと思った。

もう一度だけ、私は自分の膣の表面を触る。

口の中のような手触りが指先に伝わってきて、触れば触るほど謎の粘液が指に付着する。

くすぐったい感覚とは違ったものが全身に伝わってきて心地が良い。

そんな時に私はさっきまで見ていたアダルトDVDの数々の一場面を思い出す。

男の人は、ペニスを膣の中に入れる前に自分の指を女性器に入れていた。

そのことを思い出して、私は中指を自分の中へと入れてみる。

「…っ」

よく濡れていた私の女性器は、右手の中指を吸い込むように中へと招き入れた。

その瞬間、全身に電気が走ったような感覚に見舞われて、体がビクンと震えた。

舌で指をきつく巻き付けたような締りを指先に感じる。

その締め付けを振り払うように、中指を動かしてみる。

すると、先ほどの電流のような感覚がより強さを増して私の全身へと流れる。

「んっ…。」

気が付くと私は、DVDの女性のような喘ぎ声が漏れていることに気付く。

でも、あんなに大きな声で喘いだらきっと、両親にばれてしまうと思い、唇を噛みしめながら声を殺した。

中指の動きを止めることはできず、この悶々とした自分の衝動をどうにかして鎮めたいという一心で私は指を動かした。

だんだん両足で立つのが困難になるほど、体が反応して私は膝を床に落とす。

中指はどんどん熱くなる私の肉壁に締め付けられ、その束縛から逃れようと必死に私も中指を動かす。

そんな些細な動作をしているだけなのに、私の体は熱を帯びて、息が荒くなっていった。

「はっ…はぁっ…」

浴室に粘液を擦る中指の音と私の息遣いが響いていた。

そんな風に客観的に自分を捉えることすらも困難になっていくほど、私は快楽に浸っていく。

子宮の奥からこみ上げてくる感覚がどんどん大きくなり、私は更に指を動かす。

「あっ…あっ…」

抑えていた声が歯止めを聞かなくなり、吐息と混ざって口から漏れていく。

これ以上これを続けたら、意識が飛びそうになるような感覚に襲われる。

それでも、指を止めることはできずに私の頭の中は白い靄に包まれるよな感覚に包まれた。

「あっっ!!!」

一際大きな声が漏れ、指を千切るほど中指は肉壁に締め付けられ、体が何度も痙攣を繰り返した。

体の疼きが収まるまで私は何度も深呼吸をして、数分が過ぎる。

指を少しづつ自分の中から抜いていき、フラフラと立ち上がろうとするが、腰が疲弊していて上手く立ち上がることができなくなっていた。

自分の中指は、まだ湯船に浸かってもないのに皺だらけにふやけている。

自分のこんな姿は誰にも見られたくないし、恥ずかしくていけないことなんだと感じて、私はシャワーを浴びて体を流す。

いけないことのはずなのに、癖になりそうなこの衝動を私は抑制しようとした。

これが中学3年生の時にした、初めての自慰行為だった。

その後もお兄ちゃんのHDDの中にあるものは片っ端から見ていき、そのたびに疼く自分の体を鎮めようとこうやって何度も自慰行為を繰り返したものだ。

誰にも言えない私だけの秘密。

きっと中学校の皆は私がこんなことをしているなんて考えもしない。

そんな背徳感がまた、私の体に疼きを及ぼした。

その日々は、私が中学校を卒業するまで続いたのだった。


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