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色欲のパレット
【学園物 官能小説】

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「始まり」-4

お兄ちゃんのDVDには、色々な種類のエッチなものがあることにある時気付いた。

基本的に女の人は男の人にエッチなことをされて、おかしくなっていくことがほとんどだった。

だけどたまに違うシチュエーションも含まれていた。

例えばそれは、女の人が男の子に悪戯したり、女の人が男の人の体を触ってその反応を見て楽しむものだったりするものもあった。

意外にも、そういうカテゴリのものが私の中ではまったのか、ある時そんなものばかり見ていた時期があった。

エッチなアニメもたくさんフォルダに含まれていたので、人間同士のものだけでなくアニメも見るようになった。

アニメの中だと、現実ではできないシチュエーションがあったりして、それはそれで新鮮だと感じていた。

中でも私は、小さな可愛い男の子にお姉さんが色々なエッチなことを教えたりするようなシチュエーションが特に好きで、

登校中に歩いている小学生を見たりすると、アニメのように私がエッチなことを教えてあげたら興奮するのだろうかとか、そういうことを考えてしまったりしたこともあった。

こういう映像を見ていく中で一つ、気付いたことがあった。

男の人は、自分の服を脱いだり、自分の体を見せたりすることに基本的に興奮しないということだった。

むしろ、自分の裸を見せつけることに抵抗を感じないどころか、積極的にそれを行っていることすらもあった。

女の人は、自分も知っているがそこには男の人と違って恥じらいがあって、

なかなか服を脱ごうとしない女の人を無理やり男の人が脱がす、なんて場面もあったり。

そして、私が女の人が優位に立って男の人の体を触るシチュエーションを一通り見終わった頃に、別のシチュエーションに関心が向き始めた。

それは、女の人が恥ずかしがらずに自分の体を見せたり、触らせたりするシチュエーションだった。

ある映像作品では、女の人は首輪を繋がれていたり、男の人のことを「ご主人様」って呼んで服を自分から脱いで裸になるようなシーンもあったりした。

それらは禁断の関係であったり、二人の秘密、みたいなものがほとんどで、知られたらまずいと分かっていながらも、女の人は大胆になってしまうのだ。

自分が心を許した人間以外には、エッチな姿の素振りも出さない。

そんな背徳感に、私は惹かれるものがあったのだろう。

私がオナニーをしていることを、クラスの男子には当然知られたりするのは当然嫌だ。

でも、もしもそれが裕樹お兄ちゃんだったとしたらどうだろう。

お兄ちゃんが好きなエッチなDVDや、アニメを私も同じように好きになったって、変なことじゃないと思うし、そういう話をお兄ちゃんとするものきっと、楽しいと私は思ってしまった。

お兄ちゃんは、私がエッチな声を出しながら、女性器を触ったりするのを見て、興奮したりするのだろうか。

そんな風にお兄ちゃんを「ご主人様」に重ねてそのシチュエーションにも興奮した。

皮肉にも、そのシチュエーションが実現したのは、お兄ちゃんではない別の人で、それは今からもう少し後の出来事だった。

学校の女子の誰よりも、私は性に関する知識が豊富だったと思う。

それは誰も知らない事実だった。

高校受験が終わって、後は高校入学を待つだけの日々が続いた。

高校の入学式を前に、お兄ちゃんのHDDのエッチなフォルダはほとんど見終わっていた。

HDDをパソコンに繋ぐ機会も減ってきて、新しい学校生活と新しい友人と仲良くなるにつれて、私はいつしか完全にHDDを開くことはなくなった。

高校の男子は、中学校の男子よりも更に、クラスの女子生徒に対して性的な視線を送ることが顕著になってきたと私は感じていた。

そこで付き合った男女は、性行為に及ぶことも少なくなかったし、女子の体が大人の体になりつつあることに、男子の嗅覚は敏感なのだ。

男子のいやらしい視線は、発育の良い女子の体に集中する。

現に、私がそういう視線を感じていたからそれはよくわかっていた。

別に視線を感じたところで、嫌悪感を今さら感じることもなかった。

当然誰かに自分の体を見せようなんてことも考えたりしたこともない。

それが思わぬ形で実現したのは、私が高校2年生の夏休みのことだった。


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