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痴漢の巣窟書店 −女教師とその生徒―
【痴漢/痴女 官能小説】

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第1話 女教師、発情-2

  書店の隅から、遠くの本棚の隙間にかろうじて見えているエロ本を眺めているだけなので、弥生は、それが誰かに気付かれるなどとは、思いもよらない事なのであろう。じーっと、ずーっと、そこに視線を置いたままだ。口元は緩み、だらしなくポカンと開き、微かに涎《よだれ》が、口角に液溜りを形作り始める。
 腰が、僅かに、ゆっくりと、前後にスィングしている。よく見ないと分からない動きだが、涌井はじっくりと見ていた。彼は、レジカウンターの下に隠されたモニターで、弥生を凝視し続けているのだ。弥生の腰のスィングは、欲情の高鳴りは、股間の疼きは、涌井には手に取るように分かった。
 店内には、数十台のカメラが仕掛けてある。防犯カメラとして、ひと目に付く形で置かれているのもあるし、書籍の中や壁の中等に埋め込まれ、隠された状態のものもある。弥生の姿は、右から左から、前から後ろから、遠くから近くから、幾つものカメラによって、余すところなく、詳細に、克明に、映像として捕えられていたのだ。
 床に埋められたカメラは、タイトスカートの中を覗き見て、彼女の下着のシミを暴き出している。
 弥生から数cmの距離にある、書籍に埋められた隠しカメラは、白いブラウスを内側から押し上げて、2つの半球構造を露わにしている乳房を、至近距離から捕えている。彼女の両腕が、外側からそれを圧迫し、谷間が、ブラウスを噛み込むかのような状態になっているのが分かる。火照った頬を撫でるような仕草に紛らわせて、両腕で乳房に刺激を与え、快感を貪っている事が、露わになる。
 彼女の顔も、ドが付くほどのアップで映されているのだ。その顔が快感で前後に揺れるのが、はっきりと映され、顔の動きが胸に加えられる圧迫刺激と同調しているのだから、弥生が高まる欲情に抗しきれず、自らの乳房を刺激して快感に浸っているのは、一目瞭然だ。
 弥生の尻を捕えるカメラは、灰色のタイトスカートがぴったりと張り付いて、2つの盛り上がりと一筋の割れ目のシルエットを見せつけつつ、前後に動く、という様を暴き続けている。カメラは遠隔操作で、アングルやズームを、ある程度は調節できるので、涌井が見たい部分を見逃す事など、無いのだ。
 弥生は、もうすっかり、出来上がっているといって良い状態に陥っている。数台のカメラを駆使して、涌井はそれを見届けた。
 辰己《たつみ》という男は、涌井の仲間だ。今は、客の1人を装って、店内をうろついている。その辰己に、涌井が目配せをして指示を出した。
 弥生の視線の向きの反対側から、辰己は近づいて行った。他の客から死角になる位置で、ペニスを露出した。それを、タイトスカートにぴったりと張り付かれている弥生の尻に、前触れも無くいきなり押し付けた。鬼頭部分が埋没するくらいに、ぐいっとペニスはめり込む。
ビクン
 小さく強く、弥生の体がのけぞった。
「あっ!」
と、微かな悲鳴もあげた。
 そのまま硬直する。
 ピクリとも動かなくなった。辰己がペニスを手で持って、ぐりぐりと円を描くように動かして見ても、弥生は硬直したままだ。
 その感触に覚えはあるのだろう。自分が何をされているか、理解しているはずだ。逃げようと思えば逃げられる。大声を出す事も、辰己を突き飛ばす事も、やろうと思えば出来る。だが、弥生は何もしない。ピクリとも動かない。されるがままだ。
 しかし、その心中には葛藤があったようだ。このままではいけない。こんな事をされたままではいけない。そんな心の叫びがあったのだ。
「嫌っ!やめて!」
 ペニスが押し付けられて5秒程も経った頃に、やっと絞り出された小さな囁《ささや》きが、それを物語っていた。
 だが、体を動かす事が出来なかった。驚いた為か、快感に陥った為か。恐らく、その両方だろう。尻は心なしか、後ろに付き出されている。いけないと叫ぶ心と、快感を求める体の乖離《かいり》が、露わになっている。



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