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きわめて自慰的なマゾ男の手記、あるいは散文詩
【SM 官能小説】

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きわめて自慰的なマゾ男の手記、あるいは散文詩-3

………

200×年 秋


《 現実の自己の不能化は、敬虔な欲望への前奏曲…》

私の前にある一枚の女の写真…。物憂くベッドに横たわった黒い下着を着た女。ベールのよう
な薄い下着に覆われたふくよかな身体。黒いガーターベルトとストッキングのあいだに覗くむ
っちりとした白すぎる腿肌。彼女のすべてが妖艶ともいえる魔性的な肉感を湛えていた。ただ、
女は、顔を隠すように目元を覆う仮面をつけていた。

女は彼に服従を強いるサキュバスだった…。
 

《 現実の精神と肉体のあらゆる性的な感覚を封印し、自らの手によって禁欲を課すること》


これから眠りに入ろうとするとき、私は不意に部屋の窓の外に目を向けた。色づいた葉が落ち
尽くした樹木の上に冬の訪れを感じさせる暗雲が低く垂れ、黄昏の憧憬が微かに風で揺らいだ
とき、私はサキュバスに科せられた麗しく性的な貞操を感じた。


《 覚めた現実の状態でいだく欲情を自らの肉体から削ぐこと。完璧な不能化…それはサキュ
バスの薔薇色の調教の始まり…》


陰毛のすべてを剃刀で剃ること…限りなく自虐的に。そして、鏡に映った陰毛のない自らの性
器を見つめること。鏡に向かって何時間も。飽くことなく、ただ観念的に見つめ続けること。
それがそのサキュバスの最初の命令だった。私はペニスの周りの漆黒の陰毛を、ただ彼女のこ
とだけを想い無心に剃刀で剃りあげた。毛穴の底まで丹念に、執拗に、長い時間をかけて、ペ
ニスのまわりが青々とした地肌となるまで。

陰毛のない物憂いペニスを卑猥に垂らした五十歳の卑屈な肉体…私は自分の肉体と精神を憐れ
み、慰め、禁欲に導き、彼女へ捧げることによって純粋な服従の愉悦に浸ろうとしていた。

貞操帯は、きわめて性的な純潔への感謝となる…。実体のない不要な性欲。貞操帯による男性
器の不能化こそが、かけがえのない永遠の快楽を得る手段。私はそうサキュバスに告げられ、
彼女に不思議な貞操帯を与えられた。

貞操帯は奇妙な形象をしていた。男性器を模した貞操帯は鈍色の光沢を放っていたが、手触り
はシリコン製のゴムのようでもあり、柔らかい特殊な金属のようでもあった。奇怪な水母のよ
うな軟化した貞操帯が微かに湿った肉幹の包皮をぴったりと覆う。垂れ袋の根元を強く絞め上
げ、硬く閉じられたリング。
肉幹をゆるやかに包み込む装着感はおよそ勃起を封じる貞操帯とは程遠く、卑猥な拘束具のよ
うなものにさえ感じられた。生乾きのペニスの包皮をすっぽりと包み込んだ貞操帯は、触れる
と幼虫の殻にさえ思えてくる。殻の幹の部分のわずかな円弧の曲線は、肉幹の勃起を抑制する。
薄紅色の亀頭の鈴口が鈍色の貞操帯の先端からわずかに覗き、サキュバスに対する服従の眼差
しを澱ませていた。

不思議な貞操帯のからくり…。

貞操帯はペニスが血流が孕んだ熱を含むことによってしだいに小さく萎縮していく特別の合金
でできたものだった。漲ろうとするペニスの熱によって少しずつ時間をかけて縮小し、肉幹を
絞めつけながら徐々に萎縮し、幹の血流を止め、形象をなさない小さな肉塊へと肉幹を変容さ
せながら殻を閉ざし硬化する。


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