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14's CHOCOLATE
【コメディ 恋愛小説】

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Friend's CHOCOLATE-1

萩原コノ子、14歳、自他共に認めるトラブルメーカー。
和泉 日菜、14歳、しっかり者な印象を受けるがコイツもまた…。

アタシたちは今、山の頂上へと向かう道を必死で歩いている。なぜなら今日は、待ちに待った遠足の日なのだぁ!!なんてのは、冗談。待ちに待ったわけないでしょっ!!アタシは遠足に行くたび何かしら危険な目に会うんだから。例を上げると、スリに会ったり、川に落ちたり、カラスに襲撃されたり…。一番、死ぬかと思ったのは、去年の遠足!森のアスレチックで皆とかくれんぼして遊んでたら、目の前をでっかい蛇さんが横断していった時です。かくれんぼだから周りに誰もいないでしょ?だから、アタシと蛇のサンクチュアリ…。まぁ、すぐ逃げ出して助かったけどさぁ…。そんなアタシの災難にいつも巻き込まれるのは、アタシの隣を歩いている大親友の綾瀬 日菜。でもね、日菜だってかなりボケボケなんですよ、奥さん!テストの裏を書き忘れたり、大事な話聞き逃したり…基本的に自分の不注意が原因みたいなもんだけど。
そんなアタシたちが一緒にいれば、何も起こらない訳無いでしょ!?今からすごく嫌な予感…。

「ハァ…つ、疲れた…」
「ハァ、ハァ…コノォ、ちょっと…休もうか…」
「う、うん…ハァ」
アタシたちはその場にドサッと崩れ落ちた。話をするのも辛い。岩肌で歩きにくい上にかなりの急斜面。そして、この暑さ!!アリエマセン。体力の消耗が激しい。なのに、他の人たちは「疲れたぁ!」とか「苦しい!」とかほざきながら平然と登っていく…。絶対嘘だ!!ホントに疲れてたらこうなるんだよ?何、この明暗の差は?こっちは酸欠気味でフラフラしてんのに…。アタシたちは魂が抜けたように、数分間動かなかった。意識がハッキリしてきたので、さぁ行くかと思い、やっとこさ腰を上げる。
「…!?」
「…!?」
ヤバイ、大変です…緊急事態です。周りに誰もいないのです。人っこ一人いないのです。ついさっきまで、何人かいたにもかかわらずです!!
「とにかく行こうか…」
「う、うん…」
アタシたちはまた、歩き出した。全く…皆して何つぅ足の早さなんだよぅ!


「日菜、どっちだと思う?」
「右…いや、左?んー…うん、左!!絶対!!」
「どっから来るの?その自信」
「女の勘て奴!!」
あれから10分ほど歩くと、右と左に別れている道があった。ずっと、曲がりくねっていながらも一本道だからわかりやすかったのに…。ここは超自信有りげな日菜に付いて行こう。それに、日菜の選んだ道は右より明るいし、道もそれほど険しくはなさそうだ。

―が。

まあ、お決まりのパターンでございますよ…。ええ、迷子です、ま・い・ご!!右も左も木ばっか。相変わらず道はあるものの、岩肌ではなく湿り気をおびた土の道。いつしか周りも薄暗い草むらに…。カラスなんかも鳴いちゃってるし…。
「ごめん…コノ…」
「気にするな、友よ…。アタシもこっちの道だと思ったし…」
どこまで行っても林、林、林。森さんが林さんになるくらい林、林、林。もはや林というより樹海じゃなかろうか?森をすっ飛ばして樹海じゃなかろうか?アタシたちは既に、体力の限界に到達していた為、並んで草むらに腰掛けている。しかも、体育座り。膝抱え込むアレね。はたから見ると、背中が小さく見えちゃうやつね。さらに、ここまで来る間にお茶を飲み干し水分不足。おやつも食べ尽くし空腹。お弁当は哲希が「これは俺が持ってってやるよ!荷物少ないほうがいいだろ?」と言ってくれたのでお言葉に甘えた。だから、今は手元にない。これじゃ、迷子っていうより遭難…でしょうな、うん。


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