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1対10
【スポーツ その他小説】

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1対10-4

主審の手が掲げられ、ホイッスルが鳴り響いた。

ゆったりとした動作で助走を開始した背番号10。

世界が音を消していく。自分の心臓の音でさえ聞こえない。
視界に映るのはボールと相手だけ。他には何も映らない。

音も、
匂いも、
温度も無くなった世界。

要らない情報は全て切り捨て、研ぎ澄まされていく神経。

見える。
キッカーの視線も、
軸足の向きも、
キックのインパクトの瞬間でさえも、
全てがゆっくり見える。

それらが導く方向に体が反応、否、反射する。

そして、





気が付けば、割れんばかりの歓声の中、自分の右腕が高く掲げられていた。

正面から飛び込んできた蹴斗に押し倒される。続いてのしかかるってきたチームメイト達。
皆笑っている。
泣いている奴もいる。


そして今、試合終了のホイッスルが高らかに鳴り響いた。


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