〈侵食〉-3
『さあて、ここから本題だ……日曜のデートで英明君を絶対に夢中にさせる方法を教えてやる……ほら、パンティしっかり穿いてちゃぶ台に手をついて座れ』
『正座じゃないだろ。立ち膝でケツ突き上げるに決まってるだろ？ホントに頭が悪いなあ』
「ぐッ…く……ッ」
花恋は裕樹に頭を叩かれながら座らされ、臀部を覆うスカートもウエストベルトに押し込められた。
もはやスカートは腰回りを飾るフリルでしかなく、柔らかな尻肉は裕樹と裕太の眼下にある。
『なあ、可愛い妹の為にわざわざ買ってきたんだ……「観ない」とか言ったらぶん殴るぜ？』
「ッ!!??」
両手をついた花恋の眼前にはノートパソコンがある。それは光を放ち、動画を再生させる……その画面には
【くそビッチ痴女・アリサ】
のタイトルと、モザイク越しにも分かる勃起した肉棒を舐め回す茶髪の女優が映っていた。
花恋は瞬時に裕太の〈教え〉を察し、顔を背ける……と、いきなり前髪を掴まれて、顔をノートパソコンに向けさせられた……。
『デートだ何だって綺麗事言ってても、英明君とセックスするのが目的なんだろ？ちゃんと観てろよボケが……』
「うぅッ…ぐ……」
裕太は暴言を吐きながら花恋を突き放し、マウスをクリックした……軽い読み込みの音がした後、画面は白いブーメランパンツを穿いた男優の股間と、そこにしなだれ掛かる女優の顔を映し出す……花恋はギョッとして顔を背けようとしたが、それを見計らった裕樹は自分のスマホの画面を花恋に見せた……。
『まだ兄ちゃんに歯向かうってのか？俺を怒らせたら終わりだってのによぉ……』
「ッ!!!」
それは昨夜の写真だった……裕太を受け入れるようにガニ股に開き、両手で口を押さえて仰け反っている姿が映っていた……汗だくの身体からは勃起した乳首が飛び出しており、まるでベッドの軋む音や性器同士が擦れる音、更には花恋の切ない悲鳴さえも聞こえてきそうなくらいの破廉恥な写真が、送信の一歩手前にされている……。