〈楯と牙〉-8
「んいぎッ!?」
裕樹に投げ飛ばされるように、花恋はベッドの上に倒された。
何が起きたか分からないままに花恋の視界は枕に奪われ、更にタオルケットの下敷きにされてしまった。
『指であれだけ声が出るんなら、チンポなんか入れたら大変だろうね？』
『フッフッフ……なかなか賢いじゃないか、裕樹……』
裕太のベッドの上で、花恋はパンティを穿いた下半身だけを曝している。
起き上がろうにもタオルケットが絡んで上手くいかず、そうしているうちに強烈な圧迫感に上半身は曝された。
{{げふッ!?}}
苦し気な叫びは、枕とタオルケットに抑えられていた。
裕太が花恋の上半身を跨いで乗っかり、剥き出しの下半身に裕樹が掴み掛かっても、花恋の怯えた悲鳴はモゴモゴと隠るだけだ。
『思ったより効果があるなあ。これならギャグを使うまでもないかあ？』
『手っ取り早い方がいいだろ？へへッ…暴れるなっての。前も言ったろ？『俺達は止めない』ってな』
{{くッ苦しいよぉッ！ど、退いてよお願いッ！ゲホ！ゲホッ！}}
グチャグチャに濡れたパンティは裕樹の手によって脱がされ、準備されていたビニール袋に仕舞われた。
視界を奪われての襲撃に花恋は藻掻いてしまっているが、裕樹に太股を押さえつけられ、裕太に踵を掴まれると、その両脚はＶの字に開かされてギクギクと跳ねるだけとなった。
『下半身だけ出してオマンコおっ広げってのもエロいね、兄ちゃん？』
『フフフフッ…エロいっつーか〈肉便器〉ってカンジだよなあ？ザーメン便器に出来ないってのが残念だけどな』
裕樹は怒張しきった肉棒に避妊具を被せると、小さな花弁の間に先端を押し付けて、ピンク色の割れ目にズリズリと擦り付けた。
それは挿入を待ちきれない女性ならば小憎らしい〈意地悪〉と受け止められるものだろうが、全く真逆の思いしか持たない花恋には、拷問開始へ至るカウントダウンでしか無い。
そして我慢していた悲鳴をあげてしまった口は、もはや抑えが利かなくなってしまい、喧しくも叫んでしまっていた。
{{も、もう止めてッ！ねえ？もう止めてよこんなコトぉ！}}
『ちゃんとゴム着けてるから大丈夫だよ。まさか兄妹の間に“子供を作る”ワケにはいかないからね』
避妊具を被った亀頭が花弁を撫でると、その“期待感”に花壷は更に蜜を分泌させた……悲壮な表情は見えず、兄弟の眼下にあるのは欲情を隠せない下半身だけ……そのトロリと滴る透明な液体に込められた花恋の《真意》は正確には伝わらず、裕樹は昂揚した表情を曇らせもせずに、花恋と身体を一つに繋げた……。