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《見えない鎖》
【鬼畜 官能小説】

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〈蜉蝣の飛翔〉-13

(もう思い通りになんかならないんだから……)


花恋は英明と約束を交わしていた。
それは今週末の日曜日のデートである。

英明に自宅まで迎えに来てもらい、そして二人きりで出掛けるのだ。
勿論、怒られるのを覚悟の上で、帰宅を思い切り遅くするつもりだ。


「ごちそうさまッ」


花恋はトコトコと駆け足で部屋に戻り、スマホを取り出す。
この家に来てから買って貰った物なので、まだ扱いに不慣れはあるが、二階に兄弟が上がってくるタイミングにあわせて英明に電話を掛けた。


「あ、もしもし?今日はありがと。ホントに嬉しくて……」


努めて明るい声で、花恋は英明と話始めた。
例え母には話せないとしても、レイプなんかに打ち負かされたりしないと言いたげに。


「うんうん。そうよね?そういうのって……キャハ!ちょっとウケるぅ!」


かれこれ二時間は話しているだろうか。
兄弟のどちらかが階段を下りていく音が聞こえた。


(もしかして、痺れを切らしたかな?)


上手くいっている……そんな能天気な認識はドアのノックによって破られた……母の貴子の登場は、花恋の予想には入って無かった……。


『ちょっと花恋。いつまでもお友達と話してないで、勉強でもしたら?』


母の後ろには無表情な裕太の姿があった。
何か言いたげな様子だが、自分が言うより母親から言われた方が“効果”があると読んでいるようだ。


『宿題だって済んだの?ほら、裕太さんが心配してお母さんのところに来たんだから』

「ッ………」


花恋は何も言い返せず、英明に「もう切るね」とだけ言って通話を切った。

それを見た母は、やれやれといった表情をしてドアを閉めて階段を下りていく。
花恋がスマホの画面を見ると、時刻は10時にもなってない。
それは無職の兄弟には、まだまだ早い時刻だ。


(ノックしないで……入って来ないで……)


花恋は盗撮カメラの視界を失わせるべく、灯りを消してベッドに潜ってドアを見る。
いつもながらの静けさが不気味で、裕太と裕樹が息を潜めてこちらを伺っているように思えたからだ。

………静かなまま、時間だけが過ぎていく。

11時になり、やがて12時になり……花恋が気がついた時には、もう朝になっていた……。



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