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人類ポニーガール化計画
【調教 官能小説】

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第12話『3分クッキング』-1



 10月○日

 最近、街で変なウマをみかける。 ハミは勿論、蹄も蹄鉄も尻尾も何もかも、馬具を一切つけないウマだ。 脇を締めて手を胸の前で折り、常に爪先立ちで踵を浮かせ、腿を水平になるまで上げる歩き方は、一目でウマと分かる。 けれどスーツもつけていないから、おっぱいからおまんこまで全部が丸見えで、目のやり場に困ってしまう。 ヨアンによると、あれは『裸馬(ラバ)』といって、最下級の軍馬、いわば軍馬見習いだそうだ。 軍馬募集に応募して見事合格したら、てっきり軍馬になるんだとばかり思っていたが、そう簡単ではないらしい。 『裸馬』は警備が仕事で、郊外から市街地まで、たゆみなくパトロールが課せられるんだとか。 で、まず初めに『裸馬』として一定期間大過なく務めると、次に『露馬(ロバ)』に昇格する。 『露馬』になれば亀甲紋様の衣装とハミ、尻尾と蹄靴の着用が許されるそうだ。 ただ、乳首キャップと股間フックの装着も義務付けられるらしく、衣装で身体を隠す分だけ、自分の恥ずかしい部分……乳首やオマンコ、お尻の穴を、ずっと剝きだしにしなくちゃいけないらしい。 『露馬』とは『露出する馬』という意味だろうか。 露馬はもっぱら戦車や兵站を運ぶのが仕事で、露馬をきちんと努めたら、ようやく軍馬になって騎兵を乗せて駆け回るようになるそうだ。 

 ちょっと見ない間に、軍馬に関するヨアンの知識が凄いことになっちゃっていた。 聞けば、毎日放課後に軍の施設を見学しに行ってるそうで、将来は騎兵になりたいとハッキリ聞かされた。 軍馬にのって駆け回るため、自前の鞭まで調達したそうで……正直言って、ドン引きです。 

 『裸馬』は、まだ数は全然少ないけれど、これから増えていくという。 現に軍では第二回の軍馬選考会を予定しているようで、軍に入り浸っているヨアンの感覚だと、申し込みは前回の3倍は確実にいるそうだ。 そんなにウマが増えるなんて、正直考えたくない。 ただでさえ街が息苦しいのに、これ以上監視されるのも、パカポコ間の抜けた足音で頭をグチャグチャにされるのも真っ平だ。 でも、あたしがどれだけ大きな声で『嫌だ、嫌だ』と叫んでも、今の流れは変えられないわけで……。

 今朝の家庭科の授業で観せられた『2ch』は、新しく配給される雑穀をどう料理するか、レシピを特集した番組だった。 珍しく役に立ちそうな番組で、それなりの味に仕上がるっぽい。 だとすれば、あたしにとって朗報だ。 なにしろ昨日初めて食べた『ウマゴヤシ』は、喉に絡みつくわ、いがらっぽいわ、とてもじゃないが食べられない。 お母さんは残さず食べたけど、あたしとお姉ちゃんは一口しか食べられなくて、おかげで今日は一日中お腹がグーグーなりっぱなし。 今晩こそはちゃんと残さず食べた方がいいんだろうけど、あの味じゃ食べる自信がなかったから……だから、番組からメモしたレシピでもって、自分で料理してみようと思う。 美味しい料理、なんて期待しない。 せめて呑込めるレベルに味が調えられれば十分だ。

 正午、いつものように新しい法律が発表された。 『残飯・未消化物リサイクル法』といって、料理によって生じた『本来食べられるのに廃棄されてしまう部分』や『食べ残し』を一切なくそうという法律だ。 早い話が、料理は無駄なく食材すべてを活用し、食べるときは一切残すな、ということ。 食べ物を粗末にしたものは、以後の配給を止められるらしい。 そんなの、飢え死にしろってことなわけで……。 ますます、何とかしてあのクソまずいウマゴヤシを食べなくちゃいけなくなってしまう。 ああもう、せめて食事のときくらい、気持ちを楽にしたかったのに……軍は、あたしたちから、楽しい時間を悉く奪うつもりだろう。 

 はぁ……たまには1つくらい、嬉しいニュースがあればいいのに……最近あたしは溜息ばかりが友達です。





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