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人類ポニーガール化計画
【調教 官能小説】

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第12話『3分クッキング』-2

 ……。



 『燕麦7分ウマゴヤシ・3分クッキング』

 チャララッチャッチャッチャッチャッ……チャララッチャッチャッチャッチャ……チャララッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッ、チャッチャン♪

 のどかなテーマソングにのって『2ch』で唯一の料理番組が始まった。 新しくできた法律で食事に混入することが義務付けられる『燕麦』や『ウマゴヤシ』――繊維質が豊富で、従来は家畜の飼料に用いられており、人が口にすることはなかった――を用いた、手軽につくれるメニューを紹介する。 もともと食事には無頓着で『黒パンにチーズとハム、レタスを挟んだサンドイッチ』をお弁当に作ったら『お前は料理が趣味か?』と真顔で尋ねられるほど、料理にエネルギーを注がないのが国民性だ。 この番組が無ければ、市民の大多数は『燕麦』や『ウマゴヤシ』をオートミールに混ぜて食べるしか思いつかなかっただろう。 この『燕麦7分ウマゴヤシ・3分クッキング』略して『3分クッキング』は、数少ない、視聴者が自主的に見る番組といえる。

・1つ目のレシピ『燕麦とウマゴヤシの粒マスタード蒸し』
 燕麦は外殻を切り開き、殻と余分な麦穂を除き、1口大に丸める。 タレの材料を加えて揉みこみ、室温で放置する。 ウマゴヤシは蒸してから一口大に丸め、単子葉の芯は薄切りにする。 鍋に燕麦、ウマゴヤシを順に広げ、互いに混ぜながらタレを加え、ワイン又はビネガーを小匙2杯加える。 蓋をして強火で一煮立ちさせ、途中で時々混ぜながら10分間蒸し煮にする。 最後に蒸し汁ごと器にもり、マスタードを添える。 温かいうちが食べ頃。

・2つ目のレシピ『燕麦ソテー ウマゴヤシソース』
 燕麦を室温で水にもどし、殻に切れ目をいれて筋を溶かす。 厚みが均一になるよう杵で叩き、塩、粗びき胡椒をふる。 ウマゴヤシ、野菜を角切りする。 フライパンに油をしき、燕麦の皮目を下にして、押さえながら中火で5分焼く。 麦粒に焼き目がついたら余分な脂をペーパータオルでふきとり、アルミ箔を被せて冷めないようにする。 残った油でウマゴヤシ、野菜の角切りをいため、ケチャップを加えてさっと煮る。 ウマゴヤシの上に燕麦を盛りつける。 燕麦とウマゴヤシを事前に混ぜてマリネにしても美味。

・3つ目のレシピ『燕麦ニラのウマゴヤシ炒め』
 燕麦をたっぷりの氷水に10分つける。 胚を除いて麦粒をそぎ切りにし、水気を服。 ボウルにいれてしょうがを下ろしたものとワイン、オリーブ油、砂糖を加えて揉みこむ。 ウマゴヤシは単子葉をとり、茎は4〜5センチの長さに切り、葉元とひげ根に分ける。 燕麦に片栗粉とオリーブ油を再度揉みこみ、フライパンにのせて強火で2分、表面と裏面を均等に汁気をきりながらサッと炒める。 残った油でウマゴヤシと茎を炒め、仕上げに根毛を炙ったものを乗せる。 仕上げは強火で一気に炒めること。

・4つ目のレシピ『揚げ燕麦と蒸しウマゴヤシの四川風』
 ウマゴヤシを耐熱皿にのせてワイン、ビネガー、胡椒をふって軽く揉み混ぜる。 ラップを被せて5分間電子レンジで加熱し、粗熱が取れたら茎穂を除く。 粗く割いて蒸し汁につけておく。 小鍋にオリーブ油を加え、一煮炊きしてから練りごまを加えてよく混ぜる。 燕麦は胚をとってミキサーで粉末にし、片栗粉で纏めてから180℃の揚げ油で2分ほど揚げる。 器に揚げ燕麦と蒸しウマゴヤシを盛付け、とろみが残る汁を加える。 燕麦は揚げる直前に粉末にし、水にさらさないこと。

・5つ目のレシピ『燕麦つみれのウマゴヤシとじ』
 ポイントは、燕麦は水気を拭ってから杵で搗きます。 胚と外殻を除いて水洗いし、手開きにして芯を分ける。 胡椒、塩を燕麦に混ぜて片栗粉をくわえ、団子にまとめてつみれにする。 野菜とみじん切りにし、ウマゴヤシの茎、ひげ根を千切りにする。 鍋に燕麦つみれと野菜、ウマゴヤシを合わせ、強火にかけて煮立ったら蓋をして5分煮込む。 ウマゴヤシをフードプロセッサーで粉末にし、ニラと共に鍋にいれ、半熟にとじる。

 画面では料理講師があらかた準備した材料を順次投下し、手際よく料理をしあげていく。 どのレシピにしても、調味料は必要最小限で、繊維質は膨大、カロリーもビタミンも完璧に考慮してあり、健康面では申し分ないといえるだろう。 ウマゴヤシにはタンパク質が豊富だし、燕麦は脂質に富んでいる。 問題は、味と外観だ。 パッとみたところ、どれも同じようにドロッとした乳白色のスープで、所々野菜と脂質の塊が浮かんでいる。 お世辞にも料理には見えないし、食欲をそそるシロモノではない。 加えて味だ。 塩を必要最小限に抑えており、ビタミン剤やカルシウム剤の添加はあっても、グルタミン酸系の調味料は一切使用されていない。 素材の持ち味そのままに、つまり燕麦とウマゴヤシのパサパサした草っぽい味と食感が生かされた結果、お世辞にも美味しいとはいえないに仕上がっている。 それでも、調理せずに食べるウマゴヤシの味――例えるなら茹でた生ゴミ――に比べれば、食べられるだけマシといえよう。 燕麦は、味はそこまでひどくない。 ただ、水を吸った瞬間パサパサが失せてグニャグニャになる感触が気持ち悪いため、どんな料理でも台無しにしてしまう。 ゆえに、辛うじて燕麦をつかっても料理の体裁を整えることができるレシピは、市民にとって貴重なのだ。



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