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人類ポニーガール化計画
【調教 官能小説】

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第11話『平性教育委員会』-5

 『ダイ4モン』 4人目の『問題女性』は、そこはかとなく幼さが残る、女性というよりは女子だった。 磔台に固定され、正面を向かされて制服姿のバストアップが大きくモニタに映る。 厚めの化粧で大人びた風を装ってはいるが、顎の輪郭が柔らかい。 眼つきにしても、鋭さの中にあどけなさがあった。 『エイミー・ピバーク、17サイ。 リカノモンダイ。 カノジョノカハンシンニカクサレタヒミツヲ、10モジイナイデシルシナサイ』 現れた10名の解答者は、みな同年代の男子である。 恐らく彼女のクラスメイトか何かだろう、彼女と同じ制服を着けている。 すぐに解答を始める男子もいれば、磔られた少女に近づき、下半身を触るものもいる。 足、太腿、足の付根、そして下着――無遠慮にまさぐられ、少女は瞳を真っ赤に腫らしていた。 ただ、よっぽど強く言い含められているのか、悲鳴や泣き言は漏らさない。 視線も正面から一切逸ららず、口をキュッと結んで不快な触診に耐える。 『マンコがクサい』『マンコが毛深い』『マンコがバイオレンス』 数分で解答が出揃う。 『セイカイハ、クツガアゲゾコ、デス。 ゼンインフセイカイ、ゼンインフセイカイ』 ぱぁっ、少女の顰め面が喜悦で綻んだ。 解答者全員が見抜けなかった場合は『問題女性』の勝ちとなり、特別に法令違反が帳消しになる。 少女が靴を脱ぐと、確かに先ほどよりも一回り小さくなった。 身長にして4センチ、靴が底上げしていたためだ。 とはいえ解答者全員が外したのだから、問題にされることはない。 少女に示された宣誓書は『今後一切上底の靴は履きません』の一文だけの、シンプルな装丁。 少女は、今度はうれし涙だろう、瞳を潤ませながら署名を済ませ、靴を脱いだ素足のまま会場を去った。

 エンディング。 番組に出演するほどの詐欺ではないにしても、『謙譲美徳法』に抵触するとされた、いわば『グレーゾーンな女性たち』が化粧を落とす映像が流れる。 明るい頬が一瞬でゲッソリこけてしまう20代、若々しい肌の下から小じわが無数に表れる40代、張りのある胸がブラジャーをとった途端に弛む30代等々、市場に出回る美が作為でどれだけ上積みされているかが如実になる。 『グレーゾーンな女性たち』は『今後2度と化粧しない』『今後自分の容姿を偽らない』旨を誓約し、番組から解放されるのだが、果たしてどれだけがキチンと約束を守るのだろうか? そんな思いを視聴者に抱かせつつ、番組は暗転するのだった。



 ……。


 『謙譲美徳法』は、女性に関しては単なる『化粧制限法』になっている側面は否めない。 とはいえもちろん、女性が分不相応な発言をすれば、法律に基づき拘束される。 能力に価値を置くが故に、男女平等という概念が徹底された結果、能力に優れた男性が女性より重んじられる現代社会。 そんな現代社会において、男性に対して挑戦的であり続けられる女性は、多数派を占めることはありえない。 とはいえ、完全にいなくなることもないわけで……ゆえに女性が『謙譲』を忘れる場面が、身繕い、身だしなみ、日々のお手入れ時に現れるのは自然な成り行きだ。

 なお、この番組には隠れた影響力がある。 『ニホン』の形成技術を知らしめるためだ。 『女性の顔をモニター越しに操作する』『一部だけ透けた繊維で衣装をつくる』『薄い化粧をカメラ画像のみで見抜く』など、『ニホン』の技術レベルは、実際に市民感覚が及ぶどころじゃない。 番組を見た市民たちは、いったい軍はどの程度すごいことが出来るのか、どんなことが出来ないのか、疑心暗鬼になりながら見えない陰に怯えるようにならざるを得ない。

 市民を待ち受けるオマンコ地獄、まだまだ始まったばかりである。



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