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【SM 官能小説】

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-4

彼が更に激しく腰を動かし、私の口中を犯す…喉の奥まで貫くように。
そして、
「くっ…」
小さな呻き声と共に彼のモノから熱い迸りが口中に溢れた。

「!」
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」

彼は声をあげながら果てた。
私は呆けたように半目を開き、いつまでも口を離すことが出来なかった。


「クスッ」
何故だか笑ってしまう。
あれから何度繰り返されてきたのだろう。この場所で、鏡の前で。


「ふぅ…」

溜息を吐きながら天井を見上げる。
「今日は随分放っておくのね…」
誰に話しかけるわけでもなく声に出してみる。
彼が私を一人放ってどこかに行ってしまうのは一度や二度の事じゃない。
「もう馴れたわ」
鏡には自嘲気味に呟く女が映る。


「このまま待ってるんだよ」

そう言い残して彼が部屋を出ていった日…。
「どこに行くの?」
「ちょっと外に出てくるだけだよ」
「早く戻ってね」
「ああ」

笑顔でそう答えると、彼は出ていった。全裸の私をいつものように縛った後で。
しばらくの間、私はおとなしく待っていた。この部屋から一番近いコンビニまでどのくらいかかっただろう?そんな事を考えていた。
30分も経っただろうか…
(遅い…)
徐々に不安になっていった私。まさかこのまま彼が戻らなかったら?全裸であられもない姿に縛られたまま?
(どうしよう…どうしよう…)
戻ってくる。絶対に彼は戻ってくる。
頭の中で否定と肯定が攻めぎあう。
1時間が過ぎただろうか、私には否定も肯定も無かった。ただ寂しいだけ。ただ悲しいだけ。ただ切ないだけ…。
「早く戻ってきて…」
「…お願い…帰ってきて…」
答える相手も居ない部屋で呼び続ける。
「ぇっ…ぇ…ぇ」
「ぅ、ぅぇ…ぅぇ」
うつむいたまま泣き続ける。
「…お願い…お願い…お願い…ぇ、ぇん…ぅぇ」
胸が苦しくなる。息が出来なくなる。
今はっきりわかった。思い知らされた。私にとって何より辛いこと、恐ろしいこと、耐えることが出来ないこと。
それは、彼を失うこと。彼に触れられないこと。彼を感じることが出来なくなること。
今まで彼から受けた恥辱も陵辱も…全てが愛おしい。
不意に体が熱くなる。彼の指を唇を思い出す。
「……ゴ…ショ……ゴ……ショーゴ…ショーゴ!ショーゴ!ショーゴッ!!」
彼の名前を叫んでいた。何度も、何度も。
「ぁぁ…ショ…ゥゴ…ぁ……してる……愛してる…愛してる…愛してる…」
熱病に冒された患者。譫言のように続ける。声は枯れ涙は乾いていた。

その後何事も無かったかのように彼は戻り、彼が戻った時私は疲れ果て眠っていた。


「戻ってくるのよ」
鏡の中の女が語りかける。
「あなただって知ってるでしょ?いつだって彼は戻ってきたじゃない?あなたは待っていればいいの。あなたがするべきなのはそれだけなのよ?」
(そうね…あなたの言う通りだわ)


【カチャ】


鍵が開けられる音。

「ほらね!」
鏡に映る女が微笑んだ。
「ええ…」


淫媚で甘美な時間の始まり…。


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