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SM学園・行事幕間
【学園物 官能小説】

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第15話 先輩後輩-3

 そんな私の内心に頓着せず、

「考えてもいいことないから。 ひたすら教官の指示通りに過ごしていれば、割と大過なくこなせるかもしれないし、気楽にいこう。 自分が『備品』だって割り切っちゃえば、それ以上無茶な命令はないわけだから」

 大したことなさげに喋る先輩。

「内容だって普段のカリキュラムと似たようなものだしね。 オマンコ弄って、腰をふって、所かまわずオナニーさせられて……あとは何をされても『ジッと』しているの。 考えようによっちゃいつもと同じよね。 班ごとに合宿先の指導官がつくから、恥ずかしいとか、辛いとはか抜きにして、機械的にやるわけよ。 繰り返すけど、とにかく指導官の言う通りに動けばいいんだから。 合宿自体は『軍隊』っぽいし、指示に従わなきゃいけない空気はバリバリだと思う」

 遠い眼をした先輩から聞こえた単語は予想の斜め上だった。 『軍隊』って……つまり、私達が『備品』として参加する外部施設の合宿においても、上官の命令は絶対、という設定があるんだろう。 それとも、合宿の中身が軍隊ばりに走ったり匍匐前進したり、ハードな合宿っていうことだろうか?

 などとあれこれ考える先から、先輩が続ける。

「ほら、普段の授業だったら、オナニー1つするしないにしても、それなりに理由があるじゃない。 こじつけや屁理屈なのはさておき、ね」

「まあ、それは、はい」

「合宿中は、そういうのは無いの。 指導官が『笑え』っていったら笑うし、『マンズリ』っていったら即オナニー。 考えるより先に身体を動かさなきゃなんだよね。 内容が不条理だろうが意味不明だろうが関係なし。 いつでもどこでも誰にでも『絶対服従する』っていうのが、合宿自体のメインテーマ。 合宿が終わるころには、きっと、理由がなくてもどんなことでも出来るようになってると思うよ」

「……はい」

 既に学園で鍛えられたから、教官の命令に従うことは出来ている。 この状況をほぼ初対面の指導官との間にも敷衍しろ、ということだろう。 嫌ではあるけど、どうしようもない。

「あとは外部研修生からクレームがこなければ、いつの間にか自然に合格できるからさ」

「合格っていうことは、不合格もあるんですか?」

「あるよ。 私の時は、指導官から不可を貰って、合宿参加を取り消しにされる子がいた」

「と、取りけしって?」

「合宿修了がなかったら特別活動の単位が充足しないから、少なくとも留年は確実になる。 多分他の科目でも苦労するだろうし、彼女、もう中退しちゃったんだ。 中退したあとも進路は確定してなかった気がするなぁ。 多分、よくてDランク、最悪Eランクになったんだろうけど……ま、私らには関係ない」

 そういうと【B29番】先輩は肩を竦めた。

「評価は相対評価じゃないくて、絶対評価らしいから。 だから全員合格もあり得るし、逆に全員不合格もあり得る。 もしみんな不合格なんて、そうなったら悲惨だよねぇ……頑張ってさ、みんな揃って帰ってきて欲しい。 1人も欠けることなく、この寮に」

「……ありがとうございます」

 真剣な眼差しの先輩に向き合い、素直にうなずく私。 せっかく学園に慣れてきて、Cグループ2組にも馴染み始めて、クラスや寮でも気を許せる先輩や友達に囲まれて。 現在私が置かれた日常は、当然幼年学校時代と比べれば天地とはいえ、希望の欠片には不足しない。 たかだか数日間の合宿に失敗したくらいで失うなんて真っ平だ。

 それからしばらく、先輩が自分の『合宿体験談』を話してくれた。 私達と同じプログラムかどうかはさて置き、ある程度合宿のイメージは固められた気がする。 或る時は『白板』、或る時は『ホイッスル』、或る時は『ゴールポスト』……様々なレクリエーションの『備品』として、不自然な動作を強いられ続けるのが合宿だ。 

 ともあれ、合宿に不参加は有り得ない。 である以上、先輩の期待に応えるためにも、また他の学校の生徒に『学園』の矜持を示すためにも……明日からの夏の海合宿、精一杯取り組むしかない。 幸いメンバーには恵まれているから、きっと何とかなると思う。 出発は明日、教室に集合後、8号教官の引率で出発することになっている。 せめて今夜はしっかり休んで、体力だけは万全にしてから合宿に望もう――そんな風に考えながら、いつの間にか私は眠りに落ちていた。





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