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大沢商事の地下室
【SM 官能小説】

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秀才メイド-2

「ねえ……言いたくなければ良いんだけど……セックスってどんな感じ? 男の人のアレをしゃぶるってどんな気持ち?……もし良かったら教えてくれない?」
 前にフェラチオのことで口を滑らして以来、少し他所他所しくなっていた裕美がそう聞いて来たことで、朱美はただ一人の仲良しを失わずに済んだとほっとして、洗いざらい喋ってくれた。

 痛かった事しか覚えていない初体験、それでも何度めかには感じる事を覚え、今では気が遠くなるような感じがすること、好きでもない相手だとしてもその男が一生懸命腰を振って、自分も感じてくるとその瞬間だけは相手を好きになってしまうこと、フェラチオも最初は気持ち悪いだけだったが、男がそれで恍惚となるとその瞬間だけは一生懸命奉仕しようと思ってしまうこと……。

「私、セックスって愛し合ってる男女がするものだとずっと思ってきたんだけど、朱美の話だとセックスすると相手の事好きになるみたい……」
「そうだね……でもずっとそうってわけじゃないよ、セックスの最中やセックスが終わって裸で抱き会ってるときは相手のこと好きだって思うし、フェラしてあげてアレがビクビクってなると可愛く見えちゃうけど……その時だけだね、次の日にはなんとも思ってない」
「でもその時だけは……」
「そうだね、満ち足りた気持ちになるし、そうしてくれた相手も好きになっちゃう、フェラチオだけでもね……だから、あたし、悪い事をしてるって思ってないんだ、それでお金貰ってるのは確かだけど、その時だけは本気だから……」
 裕美はその言葉を脳裏に焼き付けた。
 

 高校二年の時、裕美は一級上の男子生徒から告白を受けた。
 小学生の頃、同級生に淡い憧れを抱いた事はあるし、中学の頃には初恋も経験している。
 しかし、実際のところ、裕美は自分の容姿に自信を持てずにいた。
 特別にコンプレックスを抱いていたと言うようなほどのことはないのだが、少なくとも目立つような容姿ではないと思っていたし、眼鏡も手放せなかったので飾り立てても無駄、と思っていたのだ。
 しかし、裕美に告白してきたのはバスケット部のキャプテンだった男子、背が高くスリムだが筋肉質の逞しい体、イケメンというほどではないが精悍なマスク、裕美の高校は県内でも有数の進学校だったが、その中でもかなり良い成績を収めているインテリジェンス。
 そんな女子生徒の憧れの的だった彼が好きになったのは、大人しくて優しい性格がそのままに滲み出ている裕美だったのだ。

 告白を受け入れ、めでたくカップルとなった二人だったが、彼は大学受験を控えている、一緒の電車に乗る通学がもっぱらのデート、後は日曜の予備校が終わった後に裕美が近くまで出かけて行ってハンバーガーショップで語らう程度の清い交際。
 しかし、裕美は彼が自分を欲してくれればいつでも体を差し出す覚悟は出来ていた。

 その機会が訪れたのは一年近く経ってから。
 W大に合格した彼が千葉を離れて下宿することが決まってからだった。
 下宿すると言っても千葉と東京、めったに会えなくなると言うほどではなかったが、初めて彼が自分を欲しいと言ってくれた時、裕美にためらいはなかった。

 裕美にとっては初体験、当然出血もしたし、痛みも大きかった。
 そんな裕美をいたわって、二度目を欲しがらない彼だったが、朱美から高校生や大学生の男子ならば三回はこなさないと満足しないと聞いていた裕美は、バスルームで彼のペニスを進んで口に含んだ。
 思ってもいなかった裕美の大胆さに驚きを隠せない彼だったが、それが嫌なはずもない、歓喜の呻き声とともに裕美の唇の中に射精した、流石にそれを飲み干せはしなかったものの、裕美はもう一度ベッドに誘い、痛みをこらえながら彼の溜まりに溜まっていた肉欲を満足させた。
 初体験は痛みが先に立ち、朱美が語ってくれたような肉体的な快楽はなかったが、裕美は充分に満足した、自分の性器で、唇で、好きな人が満足してくれる事に精神的な高揚を感じ、満足感を得られる事を知ったのだ。
 彼が東京に旅立つまでに、もう二度彼に抱かれた裕美はまだ不十分ながら肉体的な喜びも得られるようになっていた。

 東京と千葉、さして離れてはいなかったが彼は長期休暇やGWくらいにしか戻っては来なかった、裕美も三年生となり、受験に本腰を入れなければならない。
 彼とはGWに一度、夏休みに一度肌を合わせただけだったが、朱美のレクチャーを受け、程好い太さのドリンク瓶で練習を重ねたフェラは彼をうならせ、同時に裕美も奉仕する事に魅せられて行った。

 そして裕美も第一志望の大学に合格、上京して真っ先に彼と会った。
 しかし、彼の態度は煮え切らないもので、裕美を抱こうともしなかった。
 そして彼の口から『好きな娘が出来た』と聞いた時、ショックがないわけではなかったが、その場で受け入れることが出来た。
 一年間、ほとんど離れて暮らしてみると、裕美は彼を特別に愛しているわけではない事に気がついていたのだ。
 彼は女子の憧れの的だったし、長身で逞しく、優しくインテリジェンスもある、理想的な男性ではあった、もちろん好きだし、抱かれれば高揚感に包まれる、しかし、彼とこの先ずっと付き合い、暮らして行くのだと言うような気持ちまでは持てなかった、高校時代の、青春の一ページとしてとても良い想い出ではあるが、良い想い出のまま心にしまいこんでしまうことも出来る、そう感じていたので、別れを告げる彼に裕美は素直に右手を差し出すことが出来た。


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