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大沢商事の地下室
【SM 官能小説】

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秀才メイド-3

 東京での暮らしは刺激的だ。
 とりわけ、裕美は秋葉原にたむろするメイド喫茶の呼び込みやパフォーマンスに心を惹かれた。
 最初はただ電化製品を買いに出ただけだったが、大学から秋葉原は近い、電化製品を探しに行く必要がなくなっても裕美は秋葉原にしばしば足を向けた。
 
 路上のメイドたちは殊更に肌を晒しているわけではない、ミニスカートにしても木更津でもそう珍しくはない程度のものだし、下着が見えるほど胸を大きく開けているわけでもない、しかし、彼女たちを見る男達の目は、彼女たち以上に際どい服装の女性を見る目とは明らかに違う……その理由を裕美は理解していた。
 「奉仕」……男たちはメイドの衣装に奉仕の匂いを嗅ぎ取っているのだ。
 そして、裕美自身、男性に奉仕する事によって自分も高揚感を得られる事を知っている。
 メイドカフェでのアルバイト……自分にとってそれは実益にも繋がる刺激的なものに思えた。
 ただ、自分の容姿でメイドが務まるのか、そこに自信が持てずに躊躇していたが、思い切って飛び込んでみる事にした、ダメならダメで仕方がないと腹をくくって……。

 「案ずるより生むが易し」……メイドのルックスと言うのは垢抜けていなければならないと言うものでもない、メイドカフェに入り浸る男達が「奉仕」を求めている以上、むしろ垢抜けないが可愛らしいと言うくらいの方が望ましい。
 裕美も眼鏡をコンタクトに変え、ひっつめに近かったポニーテールをほどいて見た目以上に長い髪を下ろし、普段はまるでしない化粧を施すだけで充分にメイドが務まるルックスに変身することが出来た、そして都合の良い事に、変身前の自分とはがらりとイメージが変わり、裕美をちょっと知っている程度の人には別人に見える、親しくしている友人ならば気づくだろうが、幸い、と言うべきか当然、というべきか、女子学生はメイドカフェには入らない、路上に出さえしなければおそらくばれることはない。

「お帰りなさいませ、ご主人様」
 ちょっと気恥ずかしくなるようなこの台詞も、それを聞いた男性が笑顔になるなら裕美にも心地良い台詞、少し大きめに開いた胸元やふわっと広がったミニスカートとハイソックスの隙間の生足にチラチラとそそがれる視線も裕美には刺激的。
 そして、たまたま他のメイドが落として割ってしまったカップを片付ける際、四つ這いになった裕美の、チラチラと見える下着に集中した視線……裕美は久しぶりの高楊感に包まれた……。
 
 おそらくはもっと直接的に男性に奉仕する店に移れば、裕美自身ももっと満足できる……しかし相当の努力を払って入学した大学でもあり、発覚した時に処分を受けるような事は避けたい……裕美はその打開策を見出せない。


 門村という男。
 時々店を訪れてはオーナーとしばらく話して帰る。
 一見柔和に見えるが、その実、時折鋭い視線を見せる事に裕美は気づいていた。
 メイドの間では色々な憶測が飛んでいたが、ヤクザの一員で店の安全を守る代わりにいくばくかの金を受け取っているのではないか、と言う憶測が正しいのではないかと思っている、そして門村の紹介で新しいメイドが入ってくることもあり、また、メイドがどこか他の店……メイドカフェとは限らないが……に移っていく事もある、この店と同じように門村が関わっている店はかなり多いのではないか……裕美はそう憶測していた。

 門村は来店すると素早く店内を見回してチェックを入れ、オーナーとは別室で話すのだが、たまたま裕美がその席にコーヒーを運ぶ役目を仰せつかった。
 裕美はコーヒーを運んで行く時にしばらくドアの外で立ち聞きした……思ったとおり、門村はヤクザ、そしてかなりの数の風俗店を束ねている様子……。
「失礼します」
 コーヒーをテーブルに並べた裕美はそのまま膝をついた、それは店での接客マニュアルどおりだったが、裕美はすぐに立ち上がろうとはしなかった。
「どうした? もう下がって良いんだよ」
 そうオーナーに言われて下がったものの、門村は何か裕美が訴えたいのだと察してくれた、そして翌日、店で裕美をを呼び止めた。
「昨日は俺に何か言いたいことがあったんじゃないかな?」


「なるほどな、働くのはメイドカフェが限度だが、そんな願望を抱えていたのか……君の事は聞いているよ、御○ノ水の学生だってな、そんな娘が浮ついた気持ちで今みたいな事を言うとも思えない……確かにおれは君の願望をかなえて、しかも絶対に秘密を守れる場を知っているよ」
「それはどんな……」
「SMに興味はあるかな?」
「SM……ですか……叩かれたり蝋を垂らされたりはちょっと……」
「バイブ責めは?」
「それ自体を望みはしませんが、男の人がそれを見て興奮してくれるのなら……」
「輪姦は?」
「少し興味があります……でも正直なところ体験は数えるほどで……」
「でもその彼には随分奉仕した……」
「はい……」
「例えば客席をフェラして廻るというのは?」
「……それこそ求めているものかも……」
「話はわかった、正直、それでは俺の知ってるSMショーには物足りないが、君には雰囲気を感じるんだ」
「どのような……」
「M女ってのは叩かれたり蝋で責められたりするのを好むのもいれば、バイブでめちゃめちゃにされたり輪姦されたりするのを好むのもいる、それからしたらぬるい感じは否めないが、奉仕の虜って言うのも立派なM性だろうと思うよ、それで食指を動かすかどうかは分らないが話はしてみよう……秘密に関しては安心して良い、かなりの社会的地位のゲストばかりだからね、秘密保持に関しては請合える」
「よろしくお願いします……」


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