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さおり、12歳
【ロリ 官能小説】

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日本画家 Z (最終回)-3

 照明は画伯の手によって消され、暖炉の炎だけがさおりを赤く照らしている。
 『ストリップ』は画伯の目の前でした、いつものように後ろを向くことはせず、画伯もさおりに正対してその様を目に焼き付けるかのように凝視する。
 この所作にはもうすっかり慣れているはずなのだが、さおりは少し緊張していた。
 画伯の鋭い審美眼に晒されている、ということも当然あるのだが、それは既に昼間からずっと晒され続けている……今、この時、画伯は画家としてではなく、さおりを女として凝視しているのだ。
「素晴らしいよ……」
 画伯がポツリと言う。
 さおりの体はまだ幼い。
 胸はほのかに膨らみ始めたばかりで乳首もまだ隆起し始めているに過ぎない。
 胸に比べれば尻は女らしさを色濃く出し始めているが、華奢な腰がきゅっと締まっているように見えるまでにはまだまだ遠い。
 下腹部から恥丘に至るなだらかな曲線をたどっても、それを遮るヘアもない。
 しかし、暖炉の炎がそのなだらかなカーブをなぞる時、妖しく揺らめいて白磁のような肌に細かな紋様を映し出し、幽玄な景色を生む。
「寝室に移ろうか」
「出来ればここで……」
 画伯もむしろそれを望んでいた。

「君の美しい肌を前にして、老醜を晒すのは恥ずかしいよ」
 そう言いながらも、画伯はさおりに一枚づつ脱がされるに任せる。
 「うっ……それは……風呂に入ってからでも……おお……」
 画伯の洋服全てを取り去ると、さおりはまだうなだれたままのペニスを唇に含む。
 咥えた瞬間、それはピクリと反応したし、口の中で舌を使うと起き上がる気配を示した……が、またうなだれてしまう。
 おそらくは亡き妻への愛情と感謝が画伯の心にブレーキをかけてしまうのだ。
 もし今ここで何も出来なかったら画伯は一生そのまま……。
「やはり無理なようだ、まだ許されていないようだね」
「ではせめてお風呂にご一緒できますか?」
「ああ、それはお願いしようか、君のヌードを見ることは許してもらっているようだしね」


「お背中を」
「ああ、ありがとう……いい気持だ、昔、妻に流してもらったのを思い出すよ」
「……いいえ、私は奥様の代わりにはなりません」
「うん?」
「私はコールガール、先生が愛され、先生を愛された奥様とは違います……どなたにでも抱かれる女です、でも、どなたに抱いて頂いても、その時だけはその方の大切な女になりたいと願うんです」
「……今日は私の大切な女性で居てくれた……そういうことだね?」
「はい」
「そして、私に冥土の土産までくれようとしてくれたんだね?」
「冥土の土産だなんて……」
「いや、さっき一度諦めたんだ、もう私は男ではないとね……変な理屈だが、私が君を抱くことが君の思いに報いることになる、そうなんだね?」
「はい、その通りです」
「ならば……しばしの間だけ妻を忘れよう、ずっとではない、今、この瞬間だけは君と思いをひとつにして……」
「はい、抱いてくださいますか?……」

 そして、その夜、画伯はしばしの間『男』を取り戻すことが出来た。


 それからしばらくして、画伯の新作展覧会が開かれた。
 そこにはさおりを描いたものも多数展示されたが、それらは着物姿、襦袢姿のものまで、画伯はヌードを発表することはなかった。


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