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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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無茶しないで-4

私は店でのあの嫌な光景を思い出すたび腹が立ってくる、それ以上に窓越しでただ見ているしか出来なかった自分にもっと腹が立つ。

「あちゃー、アレを見てしまったんだ、みっともない所を見せてしまった。」
「そんな事!……御免なさい、私ただ黙って見ているしか。」
「何言ってるんだよ!寧ろ懸命な判断だよ、半分は。」

半分?

「あぁいう日ごろから威張ってる人は何処行ってもあんな態度、増して君のようないい意味でか弱い子がしかも怒りのアンテナが立っている状況で横槍何か投げたら、火に油を注いで、あれ以上何をするか。」
「……。」
「僕は仕事でただクレームを受けてるだけだから良いけど、それに何も関係のない君が巻き込まれて、もしあんな奴に突き飛ばされでもされたらと思うと。」
「風馬君…それでも私は。」
「もう半分の意味は君があの場に来てしまったのは良い判断だとは言えない事だ。」
「え…。」
「あの光景を見て君は傷ついたんだもんね、僕の為に。」
「当たり前だよ。」
「あの時、少しだけ様子を見て店を後にすれば、あんな光景を見ずに済んだ、いわば知らぬが仏ってね。」
「そうだけど!どっちにしたって君が苦労してるのに変わりないじゃない!」
「若葉、ちゃん。」
「私の為に、…私鈍いから今更分かったんだけど、そういう事でしょ?私の親を大切に思う気持ちを尊重し、尚且つ豪華な式を挙げる為に、あぁやって。」
「仕方ないよ、それしか。」
「私も鈍いけど風馬君も相当鈍いよ、今私がどんな気持ちか分かる?」
「それって……、じゃあ何?僕にバイトを辞めろって言うの?」
「……君があんな嫌な思いするくらいなら挙式は何て小さくても良い、人間見た目より中身だよ、式何かさっさと終わらせて二人きりになるほうが。」
「でも…結婚式は豪華にしたいって言ったのはどう見ても本気で憧れてたし、この前ドレスを見た時の君の目はどう見ても輝いてた。」
「風馬君…。」
「良いんだよ、恋人の最初の願いもまともに叶えてやれない彼氏じゃダメだよ、それにさ
社会人になったらあんな事どこでもある事でしょ、君の為に頭を下げたとか以前に。」

じゃー風馬君は、いずれか将来私と二人の間に出来た子供の為に。

「そういや僕がまだ子供だった頃、お母さんから「お父さんは私たちの為に外で一杯働いてるんだよ」って、まぁ今は尊敬のその字もないけど、自分も父親になるのかぁ。」

私もお母さんみたいなお母さんに…。

「だから気にしなくて良いよ、君のその気持ちだけで十分だよ。」
「でもっ!」
「あんまり彼女さんを困らすもんじゃないよ。」
「えっ?」

気が付けば風馬君の家の近く、庭いじり中の彼のお母さんがひょいとやってきて。


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