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おっぱい搾乳訓練所
【学園物 官能小説】

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29.2人目、研修の終了-2

 ……。


 30分後。 急にガランとなった検査室。 ずっと身につけっぱなしだったピンクのボンテージスーツを脱いだひなこ。 鼻フックも、ピンクのアナルプラグも外しており、施設を訪れた時と同じ、学園から貸与されたオーソドックスなボンテージ姿だ。 整ったおかっぱと小柄な体つき。 二週間近く拡張されっぱなしだった鼻も、フックを外すと同時に元の大きさに逆戻り。 和風人形が端坐しているかのように、ちょこんと椅子に腰かけている。

 正面に和美。 何やら書類にサインしている。

「はい、どーぞ。 無事に20人全員合格させたんだから、あたしからは何もいうことなし。 ぶっちぎりの『優』をつけといた。 再発行不可だから、絶対無くしちゃだめだよ」

 書類は、ひなこの『研修終了』の認定証だった。

「……短い間でしたが、お世話になったです。 和美さんとお別れするのは寂しいですけど、教わったことを大事にして、これからも頑張ろうと思うです。 ありがとうございました」

 ピョコン、栗鼠のように機敏なお辞儀。

 内心では『マジありえないくらいこき使われて、最低の研修です。 さっさとお別れ万歳!』と思っていても、それを言葉にだすひなこではない。 ただし表情は明らかにニヤけており、寂しさの片鱗は微塵もなかった。

 それを察知してかしないでか、和美の方もサバサバした表情だ。

「あたしって、新人の修了率が低いことで有名だから、無事に合格できたこと、自慢してもいいと思うわ。 貴方優秀よ。 最後の『食便』だって、結局ほとんど食べなかったでしょう? ひなこちゃんの所に届くまでに、全部うん子達が食べちゃうんだもの。 正直見てて拍子抜けしちゃったわ。 ひなこちゃんだって、どうせならちょっとは食べたかったでしょうに……ねえ?」

「……はぁ、まぁ」

 内心では『んなわけないです。 死ね』と思いつつも、ひなこは、眉を顰めながら気の無い返事をするにとどめた。 思い出したくもない最後の検査。 突然『全員合格させたかったら、一滴残さずウンチを処理しなさい』と言われ、竹筒の端にセットされた記憶は、思い出すだけで吐気がする。 幸い、和美がいうように、ウン子たちが順調に食便したおかげで、ひなこはほとんど食べずに済んだ。 それでもそれなりの量のウンチ汁――2Lは優に超えていた――を呑んだのは事実。 最後まで吐気に耐えて処理できたのは、我ながら奇跡だとひなこは思う。 ひなこちゃん偉い、ひなこちゃんマジ頑張り屋さん。

「あれって、まあ、なんていうか……ひなこちゃんに食べさせるくらいなら、自分が頑張って食べる、食べてみせるって……そんな風にね。 みんなの気持ちが一つになったからだと思う。 ザツに見えて丁寧だし、適当に見えてしっかりしてるし……うん。 ひなこちゃんは優秀だ」

「……ありがとうございます」

 内心では『当たり前です』と思いつつも、一応頭は下げておくひなこ。

「これからも色々大変だと思うけど、どうせならCランクといわず、立派なBランクになっちゃってさ。 色々いい方向に変えてくれたらいいなって思う。 そういう気持ちを込めての『優』だから、技術的には過信しないでね。 体力、気力ともまだまだこれからだっていうのを分かった上で、もっと上を目指してください」

 スッ。 手にした修了証を掲げる。

「ここに【B22番】、源氏名『中野ひなこ』につき、Cランク認定研修の修了を認めます」

 大方の文字が印字された、いかにも安っぽい修了証。 けれどこの修了証こそが『学園』を通じて『Bランク』に進学するための要なのだ。 いざ証書を目の前にすると、普段若干粋がっているひなことしても、感慨が全くないこともない。 

 深々と頭をさげ、ひなこは――いや、研修が終わった時点から【B22番】、通称『にに』に戻っている――施設を後にした。 ちょうど玄関を出た時、ブルルルル……、先ほど20名の少女を出荷したトラックが戻ってくる。 荷台には先ほどとは別のトランクが並び、それぞれ『排泄性能未達者』と印字されていた。 ひなこの背後、振り返れば和美がいる。 全ての出荷を終え、ひなことのお別れもあってか、心持ちほんわかしていた様子は雲散霧消。 瞳に仕事人特有の緊張感が満ちている。 その様子に、ひなこも事情を理解した。 新しいトラック、新しい『被験者の少女たち』、新しい『検査』、新しい『出荷』……研修が終わったひなことは裏腹、次なる一連の検査が始まっている。 ひなこが排泄と向き合う日々は終わったけれど、和美にとっては、全ては唯の通過点。

 振り返ったひなこに対し、和美は一瞥も返さない。 荷台から全裸女性がオマンコでもってトランクを下ろすのだが、下ろす場所をあれやこれやと指図している。 ひなこは1分ほどぼんやり和美を眺めるも、和美がこちらに全く意識がないことに気づき、くるり、踵を返す。 そして、もう二度と振り返ることなく、ひなこは『学園』に戻ったのだった。




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