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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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優しさに触れ…-1

私達の周りで様々な出来事が起き、それぞれ問題を抱えてはそれを解決したり、時には色んな葛藤もあって…。それでも学校の中ではそんな事情は知った事ではない。

「若葉ちゃん、頭良いよね…意外と。」
「最後の言葉は聞かなかった事にして風馬君割と勉強苦手なんだね。」

それぞれ片手に採点後のテスト用紙を手に持ち、お互いの結果を覗き合う。私はずっと昔
佐伯君に勉強を教えて貰って以来勉強が無意識に好きになっていて、期末テストなどもウナギ昇りのようにグングン点数が伸び、だけど風馬君はそうではなかった、文系だし、いやスポーツ系がだからと言って勉強が苦手と言うのは偏見だが、それなら私と同じで勉強は得意なものと思っていたのだが、彼は遊び人な所があるから美術と家庭科以外はあまり芳しくないようで…。

「はぁー何だか情けないよ、これじゃー君を将来護る事何て出来ないよぉー!」
「壮大だねぇー、ならもっと勉強して次は良い点数を…。」
「と、言うと?」
「無論、勉強会を開くのよ私が教えてあげるから。」

巴ちゃんと一条君と勉強会をした事はあるけど、彼とはまだ一度も。そのまま彼と家に帰り自室で教えてあげないと、将来の旦那さんにはしっかりしてもらわないと。

「…君の家で良いの?」
「えっ?私が教えるんだし、それに通い慣れてるでしょ?それなら。」

急に何を言い出すのでしょうか?

「でも、今君の…何だろう親子関係?複雑じゃないかなーって。」
「親子関係?」

確かに突然実の母親が押しかけて来て、体の弱いお爺ちゃんとぎくしゃくしてるけど。

「集中して勉強したいなら君の家より僕の家でやる方が快適かなぁーって。」
「風馬、君。」

そこまで私の事を考えてくれて。私は少し考える。

「どう、かな?勿論君が嫌ならそれで別に構わないけど。」
「…確かに、君の言う通りだね。」

別に自宅に帰るのが苦痛って程でもないけど。

「ありがとう!気使ってくれて。」
「ううん!折角勉強を教わるんだもん、少しでも楽させてあげたいし。」

勉強会なら図書館や飲食店なんかもありだったけど、やっぱり二人っきりの空間でやりたいな、その方が集中出来て…集中、いや二人きりだとむしろ…うーん。

「若葉ちゃん?」
「っ!?な、何。」

顔が赤く染まっているのに気づかれて覗かれる。

「…もしかして今、変な事考えてたでしょ?」
「そ、そんな事ないよ、君じゃあるまいし。」

いやん、胸がドキドキして来たじゃない。

「わきゃ!」

すると彼は私の頬に触れ、顔を寄せ言う。

「勉強が終わるまで我慢出来る?それとも先にやっちゃう?」
「んんー、それはぁー。」

風馬君とやってからスッキリして勉強に打ち込むか、それとも後の楽しみに残しておくかうーんもどかしい。

「両方は、駄目?」
「ははっ何だよそれ!天然だね君は。」

でも風馬君の家に変更する事は決まった訳だし、私たちは進路変更をする。


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