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横浜発 7:54
【女性向け 官能小説】

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そんなことを聞けば、
誰かに何か言われたかといぶかしがるだろう。

矢野さんと会えるのが嬉しくて、浮かれていたのかもしれないな。

少し、距離を置こう。
この1週間で、急に距離が縮まりすぎた。

午前中いっぱいでそう答えを出して昼休み前にメールをする。
声を聞いたら嘘がばれそうで、メールにする。
矢野さんから電話がすぐにかかってこないように・・・
休み時間前にメールした。

「ごめんなさい。朝になって急に資料を用意してほしいって連絡があったの。
慌てていて矢野さんに連絡できなかった。ごめんね。
当分忙しくて、行く時間が読めないから、会えないかも」

会えない「かも」じゃない。
気持ち的に会えないんだ。

「また7:54に乗れるようになったら連絡するね」

明日からの週末の事には一切触れずに。
そのままスマホの電源を落とした。

私のために無理をして
それを私は何も知らなくて
そんな優しさは、逆に心が痛い。

何も言わない大人の優しさが、逆に私を怖くした。

土日は、どこにも出かける気にならずに
ずっと家にいたら、日曜の夜にお姉ちゃんが
「何?もう矢野さんと何かあった?」
と苦笑いした。

その問いに何も答えない私に
お姉ちゃんは小さくため息をついて
冷蔵庫からビールを取りだした。

「矢野さんみたいなオトコはさくらの手には負えないよ」

それ以上何も言わないで、二人でコメディアニメのDVDをずっと見ていた。

大人の矢野さんの考えが、今の私には寂しかった。







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