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菩薩恒作衆生利( ぼさつこうさくしゅうせいり )
【ロリ 官能小説】

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手紙-1

「誠くん、これ、読めないかな。」
ドンブロフスキーさんが部屋に来て言った。手紙だった。手書きだったが、まさかそれがドンブロフスキーさんに読めないわけはない。
手紙はフランス語らしかった。発信元はカナダとあった。
「僕、まだ勉強始めたばかりで、ほとんど読めないですよ。」
「わたしは全く読めない。カナダからこんな私信が来るなんて、心当たりがないから気になってね。」
「Pardonnez -moi de vous écrire une lettre comme ça. こんな手紙を書く失礼をお許しください。でも、これ、正しいフランス語かな。」
「読めるじゃないか。さすがは誠くんだ。」
「J'habite au Québec, Canada. Je m'appelle Lise. Je suis la mère de Irina. 私はカナダ、ケベックに住んでいて、名前はリーズです。イリーナの母親です。」
僕たちは驚いて顔を見合わせた。
結局、ドンブロフスキーさんがイザベルの家に電話をして、詳しく訳してもらうことになった。返事はすぐに来た。
混乱の中でイーラと別れ別れになった私は、ひとまず居留することができたフランスで、ケベック出身の男性に知り合った。今ではカナダで結婚し、幸せな暮らしをしている。落ち着いてから、ずっと気がかりだった娘の当てを探し続けていたら、養子縁組した記録にドンブロフスキーさんのことがあった。日本にいるとあり、心配している。できることなら会いたい。今なら私が日本に行くこともできる。これまでのことに感謝の念は尽きないが、娘がよければ、私たちのもとに引き取って育てたい。
 そんな内容だった。


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