投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

菩薩恒作衆生利( ぼさつこうさくしゅうせいり )
【ロリ 官能小説】

菩薩恒作衆生利( ぼさつこうさくしゅうせいり )の最初へ 菩薩恒作衆生利( ぼさつこうさくしゅうせいり ) 32 菩薩恒作衆生利( ぼさつこうさくしゅうせいり ) 34 菩薩恒作衆生利( ぼさつこうさくしゅうせいり )の最後へ

変わること、変わらぬこと-3

「この部屋、もう堪んない!」
昼間、イーラの洗濯物のにおいで僕は一人淋しく自分を慰める。イーラを抱く機会もなく、そもそも、学校に通いだしてからは、イーラがそれを喜ばなかった。
なのに思春期のにおいだけはまるごと全部残していく。僕は実際、悲しくて、毎日イーラの下着を使ってするよりなかった。そして、ごみ箱に始末した紙が一杯になる頃には、僕のにおいにイーラのほうが我慢できなくなるのだった。
「心はしたくないの! お兄ちゃんだけでいてほしいの!」
裸の尻を僕に投げ出し、なんとかしてくれと脚を広げるイーラのそこには、何か、人とは違う命の実在が顔を出して息づいているように、いつも僕には思われた。
今が女の子の育ち盛りであるイーラは、一緒にいても分かるほど、腰も胸もみるみる形が変わっていく。服は小さくなる。さらに、イーラの言葉を借りれば、「喉が乾くのに似た女の欲求に焼かれる」ときがあった。
「あたし、やっぱりこれ、やめられないと思う。」
その日、終わってから、イーラは僕の腰に頭を乗せたまま呟いた。
「体が良くなったときは、自分でもう何でもできるって感じてたの。目の前に広い世界が見えてるみたいに。だけど、生理のあと、あたしは女だって体が感じること、多くなった。でも、やめないと、あたしたち、そのうち赤ちゃん、できると思うよ。」
「そうしたら、どうなるのかな。今がうまく行ってるのか行ってないのか、分からない。前と変わってるのかどうかも、なんだか分からない。僕は何者で、何をこれからすればいいのかな。」
「分からないけど、お兄ちゃんが近くにいてくれないと、あたしはあたしになれないと思う。」
「どういう意味?」
「あたし、家族って知らないもん。落ち着ける人が家族で兄弟。そんな人がいなくなったら、あたしは何なの?」
「僕もイーラがいなくなったらどうかなって思う。僕たち、恋人よりは近いし、兄弟より近いのかもしれない。」
「一人でするのはやめてね。もう、あたし、断らないから。家族の形ってなんなのかとか、どうでもいい。あたしと誠さんは、あたしと誠さん。それでもお兄ちゃんなんだよ。」
イーラの顔つきは、この日を境にまた大人びたように見えた。



菩薩恒作衆生利( ぼさつこうさくしゅうせいり )の最初へ 菩薩恒作衆生利( ぼさつこうさくしゅうせいり ) 32 菩薩恒作衆生利( ぼさつこうさくしゅうせいり ) 34 菩薩恒作衆生利( ぼさつこうさくしゅうせいり )の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前