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七ツの短小な荒スジ
【エッセイ/詩 その他小説】

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「伊勢物語」に憧れて-2

 【第二筋】

デジカメの画面にうつる
美しい彼女
季節が新しい風景を描くたびに
僕は彼女を頼んで画像を撮る

レンズを向けるたびに
可憐な姿に 華麗な姿に 
妖艶な姿に さまざまな姿を
記録させてくれる彼女

彼女はジェネリック・モデル
仕上がりはモデルの画像と同じだけれど
本物じゃないから 本物のモデルと
何かが違うという 値打ちが違うという

「いいか この画像をネットや何かに
流したら 承知しないからな 恥ずかしいから」
本物では得られない こんな会話ができたりする
僕の大事な ジェネリック・モデル


 【第三筋】

〔そこに少年あり。技術者系高校に通ってるが、実は魔法使いなり。〕

まいったなあ 先月
容量の多い魔法をいくつも使ったから
もうすぐくる 魔法代の請求が
怖くてたまらないんだわぁ

あの女は彼女なんかじゃないよ
あの女は 魔女なんだ
料金の取り立てのために
俺につきまとってるだけだわ

「兄ちゃん 私かって
『初めてのお使い』しとるんと違うねん
使こたモンは使こただけ 払ろてもらわんとな」
……今からあの女の声が聞こえてくるよ

さあ 魔法代を稼ぐために
ちょっとバイト行ってくるわ
でも バイトのたびに魔法が
必要なトラブルに 巻きこまれるんだわ




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