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「夏の出来事 5」
【若奥さん 官能小説】

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ただいま-2

「ここ、置いとくね。」

「ありがとう。」

タクミはマグカップを
やかんの隣に置いた。
ちづるは洗い物をしながら
マグカップの絵を見て呟く。

「星の王子さまは
  私には難しいなぁ、、。」

「 え?」

「あ、、なんか、お話がね。
小さい頃に1度読んだの。
小学3年? ぐらいかな。」

「うん。」

タクミは洗い物をしている
ちづるの後ろに立って話を聞く。

「その時、思ったの。
『このお話は
もっと大きくなったら
きっと、
ちゃんと理解できる。』って。」

「ふーーん。
小3では難しすぎた、みたいな?」

「そう、、私にはね。
30%ぐらいしか
分からない感じしたの。
大きくなったら
  きっと分かるって、、。」

「うん。」

「そんで、次に読んだのが
6年生ぐらいだったのかな。
予感は当たってて、
60%ぐらい理解できた! 
って思った。」
 
「ふーん。」

「そんで、、まぁ、
それ以来読んでなかったんだけどね。
久しぶりに昨日、読んだんだよ。
懐かしいなーって思いながら。」

「そっか。じゃー、、、
大人になったから100%理解出来た、
みたいな?」

「、、ふふっ それがねぇ、、」

「 ?」

「60%の、ままだったよ。」

「え? そーなの?」

「恋愛の
描写があるんだけどね、、。
あ、行こっか?」 

ちづるは紅茶を2つ持つと、
ソファーに座ろうと歩く。
タクミも、一緒にソファーに座った。

ちづるが続けて話す。

「恋愛の描写だけ、、
よく分からなかった?
ってゆーか、共感出来なかった。」 

「恋愛の?」 

「うん。
主人公の王子さまはね、
大好きな人を残して地球に来たの。
それで、、
離れた事によって、
自分がどれだけバラの花を、、
あ、その大好きな人を
どれだけ大事だったか
気がつくんだけど。 」

「離れて
大事さに気がつく、、か。
歌の歌詞でも多いよね。」

「うん。 でも、そこが、、」

「うん。」

「私には分からない、、かな。
分からないってゆーか、
私の中には、ない。」

「、 、、。」

「離れる時は、どっちかが
もしくは両方が冷めた時だし、、」

「、 、、。」

「会わないと、どんどん
 忘れていくよ。」

「、、、。」

「こっちのが
 普通の事じゃない?」

「、 、、。」

「でも、、んーー、、
違うのかなぁ。
 星の王子さまの
あのバラの話の所、、。
共感する人のが多いのかなー。」


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