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「夏の出来事 5」
【若奥さん 官能小説】

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ただいま-1

翌日の日曜日。

タクミは
4時にカラオケ店を出て家に帰った。
シャワーを浴びて眠り、
お昼から5時までバイトをした。

バイトが終わって
更衣室で着替えスマホを見ると、
ちづるからメッセージが入っている。

【ただいま(*^^*)
帰りに駅弁買ったー♪
食べようね。 】

タクミは喜んでるスタンプだけ
送り、ちづるの家に向かった。

ちづるは
家のインターホンが鳴ると、
タクミを迎え入れる。
Gパンにピンクのニットを着ていて
長い髪をおろしている。

タクミは
靴を脱ぎながらちづるに話す。

「どーだったー?箱根。」

「うん!楽しかったよー!」

「ガラスの?
あ、1日目はどこに行ったの?」

「星の王子さまミュージアム。」

「へー、、。 星の?」

「うん。知らない?
って、私も初めて行ったんだけどね。
かわいいマグカップ買っちゃった!」

「そーなんだー。」

タクミは部屋に入る。
いつものように
ソファーに座ろうとすると
テーブルにマグカップが2個置いてある。
マグカップには
星の王子さまのキャラクターの
絵が描いてある。
タクミが言う。

「あ、これ?」

「うん!かわいいでしょ?」

「うん。
なんか絵は見た事あるなー。」

「読んだ事はない?」

「ない。
 童話だっけ?」

「んー、、童話なのかなぁ。
でも、小さい子には難しいような、、」

「へー。」

「でね、ミュージアム、
すっごいかわいかったよ。
広い庭があってね。
なんか、、、
絵本の中にいるみたいな気持ちに
なっちゃったー。
あ、コーヒーと紅茶、どっち飲む?」

「じゃー、、コーヒー。」

「入れるね。」

ちづるは
そのマグカップを持つと
コーヒーを用意しながら
ミュージアムについての話をした。

しばらくお喋りを楽しんだ後、
2人は夕食を取る。
サラダと味噌汁は、
ちづるが作ったものだった。

タクミは食べながら
なんとなく母親を思い出す。

自分の母親とちづるの、
女としての差を
夕飯から感じ取った気がした。

その気持ちの流れから
タクミはちづるに昨日の夕方、
母親が帰ってきた事を報告する。
一通り話した後にタクミが言う。


「もーー、本当、面倒だったよ。」

「そっか。
でも、タクミ君に話聞いてもらって
少しは元気になったんじゃないかな。」

「さーねー。
こっちは疲れるけど。」

「でも、、タクミ君はやっぱり
   優しいね。」

「えー? どこがー?」

「普通、男の子ってそんな風に
お母さんの話とか、、
 聞いてくれないもんだよ?」

「ふーーん。
まぁ、
聞きたい訳じゃないんだけどね。
言いたいなら、
聞くしかないとゆーか。」

「それが優しいんだよ。
       偉いね。」

「優しいかねー、、、。
、、、。
 自分の事だけけを、
  好きなようには見えないの?」

「 ? え?」

「ちづちゃんから。」

「 ? 
自分の事だけけを
   好きなように、、?」

「ぁーー、、いや。
なんてゆーか。
 優しいって
言われ慣れてないのかも、俺、、」

「えー? なんか意外だなー。」

「、、、そう?」

「うん。
タクミ君は、優しいよ。」

「、、、、。」

「あー、美味しかったぁ。」

ちづるはそう言いながら、
カチャカチャとお皿を下げて
洗い物を始める。

タクミはテレビを観ながら
ぼんやりと考える。

「、 、、、。」

  優しい か。

  でも なんだ? 

 なーんか ひっかかる

   
   、あ 。


   そういえば


 『その人だって、
そんな悪い人じゃなかったし。』

 初めてのエッチで
  鼻血でちゃったのを

 他人に話す元彼の事

  ちづちゃん 確か
    そう言ってたよな

 、 、、。
 
 なんか ちづちゃんの言う

  優しい人とか いい男とか

  、 、 、、。 

 ハードル 低くないっすか?

 それとも りさちゃんや由佳が
   厳しすぎんのか?

「んーー、、、 分からん。」

「 ん? 何か言った?」

「んーんー、、。
テレビのクイズ、難しい。」

「ふふふっ、、独り言ー?
 あ、次は紅茶飲もっか。」

「うん、あ、、。
   カップ持ってくね。」

タクミはそう言って
洗い物をしているちづるの元に
マグカップを2つ、持っていく。
タクミが言う。


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