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憂鬱なお姫様
【その他 官能小説】

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波乱-5

「あぁ、見つかって良かった!あなたを探していたんです!!」

「・・あの・・・あなたは誰ですか?」

「僕はデニス王子の遣いです。王子からの事付けを持ってきました。

もしかしたらドミニク王子がこの離れの客間に来るかもしれないから、

申し訳ないですが今日からまた別の部屋に移ってくれないかとの伝言です。」


ドミニク王子にここが見つかってしまった?!それは困るわ。

そう思ったティアラは素直にこの小男の後について行った。


次の部屋は客間とは言い難い、

質素なベッドと小さな窓が一つだけついている小さな部屋だった。


「荷物はこれから僕が運びますから、王子がいらっしゃるまでお待ちください。」


そう言って小男は頭を下げて小部屋を出て行った。


急ぎで部屋を移動するとしても、この部屋は居心地が悪かった。

何より薄暗いのだ。

客間にいるよりこっちの方が安全なのかな?

そう思いながら、窓から外の景色を覗いてみると、景色一面は海だった。

この海の先にはまた別の国があるのだろう・・・帰ったら母親に聞いてみよう。

そんな事を考えていた時だった、部屋の扉が鈍い音をたてて開いた。


しかしティアラはドアの前に立っている男を凝視してしまう。

彼女は困惑を隠せずに後ろに後ずさりした。


「どう・・して?」


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