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早春 〜誘惑のストッキング〜
【熟女/人妻 官能小説】

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第5話 誘惑のストッキング-1

あれから、ほぼ2週間も経った午前も10時を過ぎる頃。
とある駅前の駐車場に、私は自分の車を止めて車内の運転席に居た。
その出で立ちは、白いブラウスに黒のジャケットを羽織り、膝上の黒いタイトスカートを履いた、まるで冠婚葬祭の様な姿だった。
さらに、透明度の高い黒いストッキングに黒いヒールを履いた、黒ずくめで決めていた。
8月も終わりに近づく頃だが、まだ残暑が厳しく場違いな格好でもあった。
おまけに、白のつば広の帽子を深く被り、サングラスも着用した、怪しげな雰囲気も醸し出していた。
その理由は、これから現れる人物にあった。


しばらくすると、駅の入り口は人混みで溢れ出していた。
人もまばらな駅な故に、電車の乗り降りくらいでしか人がごった返す事は無かった。
そして、その人混みの中に、私の待ちわびる人物が居た。
まだ私の車に気づいておらず、辺りを見回してる様だった。
その出で立ちは、白地に青のストライプのポロシャツに、シンプルなストレートのジーンズを履いていた。
髪は少し長めで、軽くワックスで髪を整えている所はませていた。
そう・・・ませているという事は、まだ若い人物。
その名前は、矢口陸人・・・・・・。
憧れの彼だった。
私は彼と待ち合わせる為に、駅の駐車場に居た。
車は数台しか止められておらず、彼は私の車にすぐに気づいた。
私の車に視線を止めると、徐々にと近づいてくる。
高鳴る、私の胸の鼓動。
これから彼と過ごす時間は、特別な物を意味していた。

車のウィンドウ越しまで近づくと、彼は困惑した表情を見せた。
誰か分からない様な、私の風貌に驚いたのだろう。
私は彼を見て、笑みを浮かべながら軽く手を挙げた。
それに安堵したのだろう、彼は助手席に回り込みドアを開けた。

「おばさん、こんにちは」

「ごめんね陸人君、こんな所まで呼び出しちゃって・・・・・・」

私はサングラスを外すと、彼のあいさつに言葉を返した。
その瞬間、彼の顔が瞬く間に紅潮するのが分かった。
私の顔は薄い方だが、化粧映えする顔立ちでもあった。
この日も入念にアイシャドウを塗り、つけまつげなどで武装した。
そして、彼と交わすはずの頬には薄いピンクのチークを塗り、重ねる事にもなる唇には、淡い紫の潤いルージュを塗っていた。

「さあ・・・早く乗って」

私は再びサングラスを掛けると、呆然とする彼に、早く車に乗る様促した。


車は5分も経たないうちに海岸線を走っていた。
駅から海が近い、田舎の町でもあった。
何を隠そう、私の実家でもあり、住んでる場所から車で一時間は掛かった。
彼と会うためには、どうしても土地勘が無い所が必用だった。
私は早くに両親を亡くしてる為、ほとんど帰省する事は無く、この出で立ちで車ですれ違っても、誰一人気づく者も居るはずはない。
傍から見れば、墓参りにでも向かう親子にしか見えないだろう。
実際家族には、親の墓参りと嘘を付いていた。
この出で立ちなら、怪しまれる事も無い。
さらに、彼をも魅了する為でもあった。

私がブレーキを踏み脚を返す度に、彼の視線はさりげなく釘付けになって居るのに、私は気付いていた。
膝丈上のタイトスカートから覗く、黒いストッキングを履いた私の脚を意識してるのだろう。
性的にも捉えていて、彼の股間の膨らみも目に見える様に分かった。
遠回しだが、彼とのLINEのやり取りの中で、性的にならない様に注意しながらストッキングの話もしていた。
私は彼が堪え切れなくなるほどでもある、透明度の高い黒のストッキングが好みである事も知り選択したのだ。
ただ、このシチュエーションに持ち込むにしても、彼には時間とお金と手間暇を掛けてもらう事にもなる。
その埋め合わせの為にも、私の次なるシナリオは始まろうとしていた。

会話もまばらの中、しばらく海岸線を走らせていると、雑木林を挟んだ道が見えてきた。
私はすぐさまウィンカーを切って、その道にハンドルを切った。
奥まで入ると、海岸の公園がある駐車場があった。
古い公園で、景色の見通しも悪い為に、人のまばらな公園だった。
この日は平日だが、数台の商用車などが休息の為に止められてあった。
その車を避ける様に、人目に付かない様な場所に、私は車を止めた。
突然、予定にも無い場所に連れ込まれて、彼はきょとんとした表情を見せた。
ちなみに彼と会う口実は、久々に実家近くにある山の観光地を訪れたくなり、一人で行くのは寂しいとの理由からだった。
主人は仕事で忙しく、息子の大地は年頃で、母親と一緒は恥ずかしい事を理由にした。
それともう一つは、LINEで軽い気持ちで盛り上がったのもあった。
これも、私の持つシナリオの手中にあった

「ちょっと、ごめんね」

私はそう言いながら、後部座先から黒のハンドバックを取り出した。
そして、ハンドバックを開けると、白い封筒を取り出して彼に手渡した。

「おばさん、これは!?」

「ほんのお礼の気持ちよ・・・ここまで来てもらったんだから、遠慮しないで受け取って」

私の言葉に、彼はすぐに気づいて、封筒の中身を覗き込むようにみた。

「駄目だよおばさん!・・・こんなに貰えないよう!」


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