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「あなたに毒林檎」
【SM 官能小説】

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「あなたに毒林檎」-12

うふふ、歩くたびなんだかうっとりしてきて歩き方をついに玲子に指摘されてしまった。

「鞠ちゃ〜〜〜ん……オカマ? かゆいの? ねぇ〜 おしっこならトイレはあっちよ知ってるかな〜? あははは 今日の鞠ちゃん、かなり変よ?」

 私はばれてしまっては仕方ないと照れ笑いしながらそそくさとトイレへ逃げ込んだ。一番奥の洋式トイレに駆け込みドアを閉じた。スカートをまくりショーツを恐る恐る降ろすと内股や肛門までも汚してしまっていて、あそこから下着にはねっとりとした糸が引きドギマギしてしまった……。
 私ってこんなに濡れやすかったかなと、トイレットペーパーを回し取りそこの汚れを拭おうとした。しかし、猥褻な思いは脳髄を直撃してしまっていた……。
 個室……。一人きり……。誰も居ない女子トイレ……。自慰……。という言葉が浮かんでいった……。
オナニーは排他的な行為だと滅多にしなかったのだが、最近は彼とのことが引き金になっているのだろう、逢えない寂しさを紛らわせようと時おりしてしまうことはあった。だが、まさか、学校のトイレ……自宅以外で……。
そう思うと身体は火照って熱くなり、またあそこから蜜を溢れさせ思わず彼のセリフに返事をしていた。

「良い子になる……」

 鞠絵の指はいとも簡単に膣の中に入り彼の探し当てたスイッチを探りまさぐり始めた。
蜜はとめどなく溢れ指を汚し肛門から便器の中にポタポタと落ちて行くようだった。
学校関係者が利用するトイレ……。
今、誰が入ってきてもおかしくない場所……。
公共施設内でのスリルは鞠絵にかなり激しい興奮を呼び、じっと声を押し殺し性器を弄らせた……。
 もうたまらなかった……耳をそばだて細心の注意を払いオナニーしている私。
指はくねくねと動き彼のする手つきを真似て弄り、服の中に手を入れ、ブラジャーをずらし、乳房を掴み揉みしだいた。
妄想の中で彼は私と同じトイレの中に居て、私の口におちんちんをネジ入れている……。

 私は自慰させられながら彼の物に吸い付いているのだ……。こんな私を彼はどう思うだろうか? 良い子にはなりたかった。彼だけの良い子に……。だがこれでは変態だ……。私はいけない子? いけない子? いけない子?
 どんなに頭の中で彼に助けを求めても指の動きは止まらなかった。そして、激しい刺激に飲み込まれそのまま果ててしまった。

 生理前の欲情がそうさせてしまったのだろうと嫌悪感を覚えたが次の授業に遅れてはいけないと今度はきちんと性器辺りを綺麗に肛門まで溢れた蜜をぬぐい、ショーツのヌルヌルもなんとかふき取って紙をトイレの中に放り込んだ。
 
 立ち上がり身だしなみに注意しながらトイレの水を流した……ジャジャジャ〜〜〜、水と一緒にしてしまった行為のことも流れてしまえばいいのにと思ったとき……。
ごうごうと音のする水流にぐるんぐるんと回る奴を見た。

 また、林檎を産んでいた……。

 何やら産む時間が早まっていた……今日は2個目だ。
大きさも色も以前の物と大差ないがそれはしっかりそこにあって、かーちゃーんただいまーとか言ってそうな3個目の林檎だった。

 不思議なことにかなり冷静な私は林檎を素手で掴みあげ新生児を取り上げた後のように洗面所で手と一緒にごしごしと洗った。こんな所を誰かに見られようものならお前はアライグマかと? あだ名を付けられそうだったが、汚いから洗っているだけで、ただそれだけのように振舞えばいいのだと心に思い描いた。

 オナニーした報い? いけない子は一生林檎を産んでしまうの? もう考えるのを止めよう……。
日に2個である、もう諦めよう……。この先この症状と長く付き合わないと駄目なのかも知れないし、今のところ健康上の不具合はないのだ。
 強いて言えば林檎を産んでしまうということをきちんと受け止めないと気がおかしくなって、柔らかい壁に囲まれた部屋で拘束服を着させられているかも知れないのだ。自由を奪われてしまう事は何としてでも避けたかった。

 私はこれが女のしたたかな強さかなと実感しにやけてしまったが、腕時計を覗くと授業はとっくに始まっていて急いでトイレを飛び出すと実習研究室に向った。

 左手に持つ林檎を捨てる事は出来ない、取っておくしかないのなら観察するしかないはずだ。毎日観察すれば何故林檎を産んでしまうのかヒントが得られるかもしれないと考えた。少し心が晴れて来た。数日来始めての快晴だった。もやもやとしたえっちな思いもオナニーという方法で少しは開放することができたし、私はいけない子だと言うことをすっかり忘れ廊下をスカートの裾をひる返し軽やかに走って行った。


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