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「あなたに毒林檎」
【SM 官能小説】

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「あなたに毒林檎」-10

アパートに戻る道すがら異常体質になってしまった私の原因を紐解く手だてはこれで断ち切られたが、毒林檎から放出される赤くて細い糸は切れることなく私に向かい絡まり続け薄暗いじめじめした部屋の隅っこに転がされ、芋虫のように這いつくばっている自分を想像した。

 自宅に戻りひと息つきたかったのだけど今日はこれから午後の講義に出ないといけなかった。弱り果てた芋虫である私は体がだるくて仕方なかったが、身体に鞭を打ち必要な教材を鞄に寄せ集め、さっきまで抱えていたバッグから林檎の入った袋を取り出し再び外へ出た。なんだかどっとした疲れは眠気を呼び覚ましこれは生理も近いという予兆でもあった。

 車を大学へ向かわせ、こないだ林檎を捨てた川あたりをつらつらと眺め何かおかしなことになってはいなか確かめた。だがべつだんこれといって変化はなく毎度汚いドブ河に杭が何本か刺さっていてごみがプカリプカリと絡まり浮かんでいた。
 白いスチロールのケース、得体の知れない何かや板切れ……。そして何やら赤いボール……。ボール……。
通り過ぎてしまう瞬間、それがなんであるか判ってしまった……。

 真っ赤な林檎!? 

 私が投げ捨てた物だ。そいつはまだそこに居て私に拾われたいと願っているのだろうか? 
悲しいよかーちゃーんとか訴えかけているのだろうか?
悪夢だった。またパニックを起こしそうになり、ボール、あれはボール玉……。

 あれはただの赤い小さな鞠?!
私は見なかったことにしながらアクセルを踏み込んでいた。


 なにか身体がおかしかった……。
妙に鼓動が激しいし下半身にもぞもぞとするものを感じる……。
どうやらえっちをしたいような気分だ……。
生理前に欲情する子がいるのは知っていたけど自分もそういう経験をするとは思わなかった。
 彼とのSEXが楽しくて仕方ない後遺症なのだろうか? 
はたまた林檎のせいなのかは判らなかったが、講義を聴いていても落ち着かずソワソワしドーパミンの放出量が少ないとこういう不可思議な感覚に陥るのではと思った。
だがそれはすぐに放出されていくのだ……。

 窓の外に目をやり再び彼の愛撫を思い出した。髪をなでてくれる彼のすることの続きだ……。

 彼はキスをする。
髪の毛、首筋、服を半分脱がされながらの肩越し、鎖骨、脇から胸の始まり、乳房の膨らみや乳首、脇、腰、ショーツライン、お尻、ふともも、ふくらはぎ、足首、足指、手指、指の股、手首、腕……。
 胸、お腹、陰毛……。このとき私のショーツは脱がされかけていて恥ずかしがる私の手を両脇に押しのけ、その部分へ顔を埋めてくる……。
 性器のあたりに彼の体温や息を感じ匂いを嗅がれる……恥ずかしい……。
身体をくねらせ逃げようとするが、じっとしていて、いい子だからと言われ身動きが取れなくなり股を開かされてしまう……。開かされた股の間からは濡れたそこがあらわになり全てを見られてしまう……。
 匂いも嗅がれ、指を入れられ、舐めあげられてしまう……。恥ずかしい、恥ずかしいのだが、心臓の鼓動はこれから起こる彼の舌使いに期待を高まらせてもいるのだ。陰毛を優しく口先で撫でられ下半身にクンクンと彼の鼻を鳴らす音が聞こえ始める……。

 私という人の感覚はこの辺りから徐々に無くなって来ているようで、ゆっくりと頭の思考回路が閉ざしはじめ意識は全て彼のすることにだけ反応し始めるの……。恥ずかしいけど気持ちいい、気持ちが良すぎておかしくなりそうだ……。
なんとか意識を元に戻そうとするが、そのたびに彼の愛撫は快感を引き連れ身体と心を犯して行く……。
 性器へのキス、舌先で舐め上げられ、突付かれ転がされ、吸われるクリトリス。
時には指の腹で優しく擦られ回される……。

 尿道もまさぐられ舌先で突かれ、おしっこがしたいような感覚にさいなまれてしまうこともあったが、彼にその事を言うといつでもしなさいねと笑って答えられてしまうだけで本当に出来る訳ないでしょーと口先を尖らせた。

 膣の中に指が入ってくる……。

 私はどちらかというとクリの方が感じるのだが彼はクリよりも膣の中を責めてくるので、以前に比べると格段に気持ちよさが変わって来ている。しかも、最近彼によって発見されてしまった快感のスイッチがあってそこを責められるとツボにはまりすぎるみたいに感じてしまい怖くなり拒否するんだけど彼は構わずまさぐってくる……。

 それは膣内の中ほどにあるらしく、私が身体を逃がそうとしても力で押さえ込み指の数を増やしながら責め立てた……。
そして、彼は囁いてくる……。

「今2本だよ、1本と比べるとどう?」

 私はきちんと答えられるはずもなくそのつど腰をくねらせ彼の指から逃れようとするけど、桃色吐息の意味を彼に言い当てられなすがままなのだ。
感じてしまうところは全部彼に把握され、性感帯をどんどん押し広げられているみたいだった。


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