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恋人宣言
【女性向け 官能小説】

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「葵」

お互いに息が落ち着くまでお互いを抱きしめて。
その後ごろんと私の横に転がった青木は

「もちろん、今日だけの関係じゃないから」
ニヤッと笑ってそう言うけど。
「それって付き合うって事?」
「もちろん」

「それは嫌」

起き上がって間髪いれずに答えた私にビックリして青木も飛び起きた。

「はぁぁ?なんで?」
「同じ部署で働いているんだよ?」
「ああ」
「仕事がしづらくなる」
「かもな」

かもな、って・・・

「もし部署移動の話が出たらそれは私だよね!」

同期だろうと、どう考えても戦力外通告を受けるのは私だ。
ライバルと言っても青木のほうが部への貢献度は高い。

「そうかもな」
「嫌!」
「・・・・」
「今の仕事も部署も気に入ってるの。失敗をして移動させられるならまだしも
色恋で外されるのは嫌よ!」
「色恋って・・・」

「青木はいいよね!移動するのは私だから」

そう言えば、おそらくその通りなので青木は何も言えない。

「じゃぁ、どうするって言うんだよ」
私の勢いを可笑しそうに聞いていた青木は子供をあやすように後ろから抱きしめて聞いた。

「だから付き合わない」

はっきりと宣言した私の顔をじっと見つめて。
さっきまでの可笑しそうにしていた顔は真面目な顔に変化していて。

「なるほど。葵の方の分が悪すぎるって事だよな」
「そうよ」
「じゃぁ、お互い様ならいいのか?」
「はぁ?」
「会社には内緒にしよう」
「・・・・」

「それならいいだろ?」
青木は私のほほにキスをしながら、名案だ。と満足そうに言った。

こうして私たちの秘密の社内恋愛は8か月前に始まった―――



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