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今から恋を始めよう
【女性向け 官能小説】

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-1


「佐々木さん。ハンティングされたよね?」
「え・・・あのっ!」
「大丈夫。今回は吉野さんからきちんと報告を受けてる。
ただし、見逃すのは今回だけだよ」
「・・・・はい。すみませんでした」
「そのハンティングをしようとした会社は
今回のプロジェクトの内容をどこかでつかんだらしい」
「・・・・」

呆然としている私に、笑いかけて
「ちょっと楠に一本電話を入れて来る。まだ会社にいるはずだ。待ってて」
と、急に仕事でも思い出したのか、
野口さんは店の外に出て、電話をした。

数分して帰ってきた野口さんは
「明日、吉野さんの飛行機の時間が分かったよ」
と、笑顔で言う。

「え・・・・」

「羽田、午前9時45分発だ」
「あの」
「顔を見て話したほうが良い。午前の半休届は出しといてあげるよ」

野口さんはそう言って、ウインクした。

私は野口さんにお礼を言って。
そして、家に帰ってよく考えてみる。

色々なことをいっぺんに知って。
頭が混乱していたけど。
それでも、明日空港で吉野さんを捕まえる事が出来たなら。
もう、本心と違うことは言いたくない。

最後のチャンスを野口さんがくれたんだ。

私一人だったら、飛行機の時間さえ調べることは出来なかった。
だから。
後悔しないために、考えろ。
自分がどうしたいのか、考えろ。

私は自分に言い聞かせた。



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