始-2
「なんで?他のオンナでもいるの?」
自分の思わず言った言葉に自分自身で落ち込む。
「はぁ?なんだそれ」
吉野さんは私の言葉に少し呆れて、裸のままベッドから起きた。
また、そのままセックスが終わったらすぐ帰るわけ?
その行為にイラッと来て
「行きたい!やましい事がないならいいじゃない」
自分でも、なんでその事に急にこだわって我を通そうとするのか分からなかったけど
「部屋に行きたい」
そう言い続ける私に、ため息をついて
「麻子、自分の立場を忘れるなよ。恋人じゃない。セフレだ」
視線を合わせて冷たくそう言い放つ。
「・・・・っ!」
そう言われれば何も言い返せないのに。
「そうね。セフレだものね。
自分のテリトリーには入れたくないわよね」
「麻子」
「終わりにしましょう」
「麻子っ!」
もう、止まらなかった。
「プロジェクトの終わりも見えてきたことだし。
これが終われば私たちのセフレって関係も終わる約束なんだから。
少し早くなるだけよ」
「本気で言ってるのか?」
冷たいぐらい冷静な声で言ったその声が
静かに私の部屋に響いた。
「本気よ」
「―――分かった」