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BLOOD LINE
【女性向け 官能小説】

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3-3

土曜の夜から結子の部屋に泊まり、翌朝ディズニーランドへやって来た。アトラクション目的ではないから急ぐ必要もない。
今日も朝から暑い。園内はカップルや家族連れ、友人同士で混み合っていた。
昔と違ってひとつのアトラクションに並び続けなくてもいいとは言え、やはり人気のある場所は人ごみも相当なものだった。
結子は記憶をたどるように園内を見て回った。
ウォルト・ディズニーとミッキーの像の前で写真を撮ったと言う。背後のシンデレラ城が収まるようなショットだそうだ。
「こんなところだったのかな。私は小さかったから、コースターには乗らなかったみたいだけど」
「いくつだったの?」
「5歳くらい。その頃のことって覚えてる?」
「どうかなぁ。言われれば思い出すこともあるかも知れないけど」
歩き疲れてカフェに入ろうにもどこも混んでいる。結子に至ってはタバコも吸えずうんざりと言った表情だった。結局、3時間ほどで出ることにした。
「ダメね。何にも思い出せなかった」
「何かの折にふっと思い出すこともあるよ。大事な思い出なんだろう?」
結子はふーっと煙を吐いた。
「どうかな。父親って言う人と写ってる唯一の写真なんだけどね」
都内まで戻って早めの夕食をとった。日曜の上に夏休みでは、どこも混んでいる。普段から遠出をする習慣のない結子には疲れるだけだった。
今日のところはこのまま東京駅で別れた方がよさそうだ。妻も帰って来る。
「つき合わせちゃってごめんね」
「いいさ。また別の機会もあるよ」
「そうね。じゃ、ね」
「ああ、気をつけて」
手を握るわけでもなく、抱き寄せることもなくそのまま別れた。数歩歩いたところで振り向くと、彼女も振り向いていた。泣きそうな顔で、雑踏の中に立っている。
結子……。
ほぼ同時に駆け寄り、抱き合った。


遮光カーテンの隙間から夕日が差し込んでいる。
貪るように唇を重ね、服を脱ぐのさえもどかしい。シャワールームに入ると、頭から湯を浴びながらキスを交わした。
乳首を吸うと結子は体をのけぞらせた。
濡れた体のままベッドに重なり、結子の体を愛撫する。太ももの内側を強く吸いキスマークを残した。少なくとも今は彼女を独占していると言う証に。首筋も背中もわきの下も。ゆっくりと口づけした。次第に彼女の体は熱を帯び、入って来てと富岡を求めた。
細い腰を掴み後ろから責め立てると、彼女の口から声が漏れた。
あああっ、ああ……!
その声を聞いているだけでもう登りつめそうだった。体を合わせることでしか埋められない感情が悲しい。深みにはまる速度が速いほど、壊れるのも速いとどこかでわかっているからだ。もうここで踏みとどまらなければ。
妻も結子も、どちらも壊してしまう前に。
いや、自分が孤独になる前に。
すばやく彼女から離れ、外に射精した。



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