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BLOOD LINE
【女性向け 官能小説】

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6-5

その数日後、富岡の携帯に「OLDIES」のママから電話が入った。
結子が、いなくなったと言うのだ。
突然店を辞めると告げ、理由を聞いても「他の生き方をしてみたいだけ」と答えるだけだった。少し考えてからでも遅くないと引き止めたが、翌日には黙って部屋を出て行ったと言う。「大きなものを残して行ってごめんなさい。誰か使ってくれればいいけど、いらなかったら捨ててください。ママ、色々ありがとうございました」そんな置手紙があったそうだ。
「もちろん残しておくよ。いつあの子が帰って来てもいいように。私は、あんたとうまくいって欲しかったよ」
そう言って電話の向こうで泣いていた。
横須賀しか知らない彼女がどこへ行ったのか。富岡には探す術がない。そしてその権利もない。ただただ、幸せになって欲しい。その気持ちに嘘はない。
電話を切ると富岡は自分の部屋に入り、机の引き出しにしまってあるマルボロを取り出した。病院で預かっておくと言ったきり返していなかった、吸いかけのタバコだ。
本棚の隅に置いてある古いライターで火をつけ、深く吸い込んだ。
苦くて甘いタバコの味が広がる。

二人で歩いた臨海公園の潮風の匂いがするような気がした。

終わり





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