を-1
吉野さんは買って来たゴムの箱を開けながら
「もし、これを使い切る前に俺がUKに行っても
他の男にこれを付けるなよ」
なんて小さく笑った。
「私の事、どんなオンナだと思ってんのよ」
ため息をつきながらカーディガンを脱いで
部屋着にしていたよれよれの長Tを脱いだら。
「モテる女。そして、捕まらないオンナ」
そう言って笑いながら私の顔の輪郭をなでる。
「何それ」
へんな例えに笑ったけど。
吉野さんは一瞬だけ真面目な顔をして。
「言葉のまんま。大学時代も。今も。
男の話題に出てこない時はないよ。
でも、誰のことも本気にならないんだよな。麻子ちゃんは」
「・・・・」
「来いよ。せめてセックスで俺に夢中にさせてやる」
そう言いながら広げる両腕の中に
飛び込んだ途端にキスをされ口内を舌で犯される。
言ってることは乱暴なのに。
その手つきは、大事なものを扱うように、優しい。
「んぁぁ・・・・ぁ」
まるで。
私自身が吉野さんの大事な物のように錯覚してしまうほどに
大事に抱かれる。