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BLOOD LINE
【女性向け 官能小説】

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2-4

「私のこと、書くの?」
「悩んでるところかな。もちろん名前は出さないし“親しい女性”程度の表現にしようと思う」
「いいわよ。倉田結子32歳。年下の男に都合のいい女として抱かれて、本国に帰る時には
メールすらもらえなかった水商売の女って、書いてよ」
「そんな風に思ってないよ」
「いいのよ、本当のことだもん」
その時、初めて結子の目から涙が落ちた。富岡は慌ててハンカチを出したが、かける言葉が見つからない。こんな時はどうしたらいいのだろう。慰めるつもりで来たはずなのに、いざ泣かれると何もできなかった。
「倉田さん」
「違う、そうじゃない」
「なにが……?」
「違うの」
結子が顔を上げた。顔にかかった髪をそっと直すと、二人はどちらからともなく唇を重ねていた。


窓の外からにぎやかな声がする。酔客が騒いでいるのだ。
ドブ板のパブやバーは午前3時まで営業の店が多いと言う。狭いベッドの中で、富岡は結子を抱いた。互いに唇を吸い、舌を絡ませた。
乳房は片手で包めるほどの大きさだったが、柔らかく温かかった。首筋にキスしながら、肩へ胸へと舌を這わせた。
う……と小さく声が漏れた。乳首を吸うと彼女の体がビクンと反応した。
こんなつもりはなかった。
たった一度きりだ、後戻りはできる。
富岡は心の中で言い訳を重ねていた。
指を結子の割れ目に挿し込むと、そこはすでに温かく濡れていた。
彼女は寂しかったんだ。
慰めてくれる相手が欲しかっただけだ。
ゆっくりと足を開かせ、顔を埋めた。
「あ……」
腰を持ち上げ、優しくクリトリスを吸い、舌先でつつく。
はぁ、と息を吐きながら結子は富岡の髪を撫で回した。
カーテンを通して街灯の光が漏れる。エアコンの音が静かに響き、結子の吐息と混ざり合った。
富岡にとっては久し振りのセックスだった。もう夫婦生活はしばらくの間なかった。お互い忙しく疲れていることもあるし、決定的なのは彼の帰宅が遅いことだ。編集部に泊り込むこともざらだった。
互いに男と女として見ることもなくなっていたが、別段不満があるわけではない。夫婦とは、そこにいて当たり前の存在になることだ。だからこそ、その存在が鬱陶しくなれば一緒に暮らして行くことは出来ない。昔のようにセックスをしなくても、同じ空間で生きていることが負担でなければ御の字じゃないか。そんな風に考えていた。
結子の温かい舌がペニスに絡みついた。ゆっくり顔を上下させながら硬くなったペニスを咥える。正直なところ、この行為だけで発射しそうになり富岡は懸命にこらえていた。
「気持ちいい?」
「ああ、いいよ」
「今夜だけで、忘れようね」
「そうだね……」
奥深く、結子の中に入って行った。あっ、と彼女が短く声を上げる。
「痛かった?」
富岡の下で結子は首を振った。
「ううん、平気」
キスしながらゆっくり腰を動かし、次第にその速度を速めて言った。きゅっと、中でペニスを締め付ける。
「ああ、もっと、もっと強くして」
妻以外の女を喜ばせていることに、忘れかけていた男の見栄が目覚めた。ぎゅっと細い体を抱きしめながら、富岡は彼女を突き上げた。
「あああっ!」
結子は頭の上のパイプを掴み快楽に声を上げる。ベッドが軋んだ音を立てた。
富岡は更に抱きしめ、強く彼女の唇を吸う。富岡の首に腕を回し、互いの舌を絡め合い結子ははばかることなく声を上げた。



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