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「数学のお勉強」
【SM 官能小説】

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第六章-2

「これは乗馬用の一本鞭だ。お前が私の命令を拒否したり、抵抗したりした時に、お仕置き用として使う。どのくらいの威力があるか今見せてやろう。エイッ!」
 泉美は鞭を振り上げると、私のすぐ目の前で思い切り床を打った。ヒューンと空気を切る音、パシーンと床に当たる音、私は思わず震え上がり失禁しそうになった。
「ほら、見てみろ。フローリングの床でさえ塗料が剥がれて板に傷がついたくらいだ。これをお前の体に振り下ろすと、皮膚が裂けて血が噴き出すのは確実だ」
「ひえー!」
 私はもう言葉を失って縮み上がった。
「まあ、私もできるならこんなものは使いたくない。お仕置きの必要などないことを祈っている。すべてはお前の態度次第だ」
「ご命令には忠実に絶対服従します。拒否も抵抗もいたしません」
「うん、そうしてくれ」
 と言って、泉美はその鞭をダンボール箱に戻した。
「次に排泄はすべて私の許可制だ。ウンコもおしっこも私の許可をもらってからすること。もし許可なく排泄したら、さっきの一本鞭でお仕置きだからね」
「泉美様の許可をもらってからトイレに行けばいいんですね」
「バカ者。誰がトイレに行っていいと言った。お前はウンコもおしっこもベランダで洗面器にするんだ。くどいようだが、この三日間はお前を人間扱いしないからね」
 想像をはるかに超えてハードな数学のお勉強のようだ。
「じゃ、ウォーミングアップを兼ねて、軽く最初のお勉強に入ろうか」
「何をするんですか」
「この洗濯バサミでお前の両方の乳首を三十分間挟む」
 泉美はバネの強そうなプラスティック製の洗濯バサミを、ダンボール箱から二つ取り出した。こんなもので乳首を挟まれたら痛くてたまらないだろう。
(いや、いやよ)
しかし私には拒否権は一切与えられていなかった。
「お前はそこに正座したままでいい。ただ、自分で外せないように後ろ手に縄で縛る。両手を後ろに回せ」
「はい」
 私は両手を後ろに回した。泉美はダンボール箱から縄を取り出して私の両手を縛った。そしてかすかに身震いしている私の右の乳房を手で掴み、もう一方の手で洗濯バサミをその乳首に近づけて来た。
(いや、いや、いや)
 洗濯バサミで乳首が挟まれ、泉美が手を放した。
「ぎゃーっ!」
 瞬間燃えるような激痛が右の乳首から全身へと走った。左の乳首も同じようにされる。またしても燃えるような激痛。私はぜえぜえと息を吐き、大量の脂汗と涙をぽたぽたと流して耐えた。しばらくするとじんじんとする痛みも加わってきた。
「あと何分くらいですか」
「あと二十六分。まだ四分しか経っていないよ」
 泉美は楽しげに笑いながら言う。
「もうだめです。どうかお許しください」
「だめだ。三十分は我慢しろ」
 痛くて痛くてたまらない。乳首がちぎれてしまうのではないかとさえ思えた。意識が薄れかけて、ハッと気づくことも何度かあった。汗と涙が鼻や口に入って気持ち悪かったが、後ろ手に縛られているので拭くことさえできない。
「あと何分くらいですか」
「あと十四分だよ」
(ようやく半分が過ぎたのね)
 朦朧とする中、私は歯を食いしばって残りの半分に耐えた。そして無限にも感じられた長い地獄の時間の末、ようやく泉美が言った。
「三十分経った。よく頑張ったね。もう外してあげるよ」
「お願いします」
 泉美は左右の乳首の洗濯バサミを同時に外した。
「うぎゃーっ!」
 私はひときわ激しい痛みに背中をのけぞらせた。
「あ、そうそう、言い忘れてたけど、こういうものは外す時が一番痛いんだよ」
(それを先に言ってよ)
 しかしとりあえず洗濯バサミを外されてほっとひと息。自分の胸を見ると、両方の乳首はぺしゃんこに潰され、その潰された平面には洗濯バサミのギザギザがくっきりと刻印されていた。
「あのう、おしっこに行きたいのですが」
「そうね。ううむ。今ならいいか。許可するわ」
「ありがとうございます」
「ただし両手は後ろ手に縛ったままですること。ついておいで」
 私は長時間の正座で痺れた足と、首輪に付けられた長い鎖を引きずって泉美について行った。応接間からリビングへ行き、リビングの窓は床まである大きな窓で、それがベランダへ出るドアにもなっていた。
 ベランダにはすでに洗面器が用意されていた。私はその上にまたがってしゃがんだ。泉美が見ている前で放尿するのは恥ずかしかったが、許可が出ているうちに排泄しておかないと大変なことになる。私は目をぎゅっと閉じて尿道の筋肉を緩めた。すると、
 ジャーッ!
 思っていたよりも大量のおしっこが出た。そして洗面器の中でまだ湯気を立てている私のおしっこを、泉美がじっと見つめているのがたまらなく恥ずかしかった。


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